一章 高校生活2週間目 1-2
「ご、ごめんなさい。まさか家族がいなくて一人暮らしとは。」
「ううん、ありがとう。私の話なんか、つまんないでしょう。」
本を片付けながらだったから、ちゃんとは全部言えなかったかもしれない。それでも...この痛みがわかってくれれば。
「僕は、僕は桐谷さんのこと、わかった気がするから嬉しかった...です。」
「え?」
竹本の顔を覗くと、少し赤かった。何かそんな変なこといっただろうか。
「週2で放課後当番ですよね。こ、これから、もう少し桐谷さんの話、聞きたいです。...いいですか?」
「ま、まあ別にいいけど、竹本の話も聞かせてよ。」
私は笑顔でそう答える。が、笑顔で答えたことがあとで大惨事を起こすこととなる。今はまだ、そのことを知らない。日は落ち、冷たい冷気が2人の足を横切った。まるでこれから起こることを知らせるかのように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます