第71話時間制限
《時間に呪われし者》
「待てよ」
僕はルトバーのに向けて炎を放つ。
「その程度の威力で攻撃して来ても意味ないことぐらいわかるだろ?」
ルトバーは炎を打ち消す。
「はぁ、もう飽きた。お前もさっさとあの娘と一緒に死んどけ」
ルトバーがそう言った瞬間、アクアから叫び声が聞こえる。
「ウアッァウゥゥ」
「アクア!」
僕はアクアの元に行こうとする。だが、歩くどころか立つことさえできない。
「そういえば言ってなかったけど、俺の異能力のせいでフェルトに見えなかっただけであの娘はずっと苦しんでたんだよ。笑えるね。ずっと時間が止まってると思って必死に戦ってたもんなぁ」
ルトバーはそれに続けて。
「タイムリミットはあと4分程度だ。残念しょう。お前はまた大事な人を守れない。お前は時間に呪われた子供だからな」
『こいつは何を言ってるんだろう。思考がうまく回らない。体が動かない。意識が朦朧とする』
でも、アクアの苦しくて辛そうな叫び声だけは聞き逃さなかった。
どこからか声が聞こえる。
『力が欲しいか?』
そんなの決まってるじゃないか。
『ならば力を与えよう。お前は時間を操る死神だ。お前の力は神にも届く』
僕の意識は闇に飲み込まれる。
『お前は時間に呪われた者だ』
《死神》
俺は目を疑った。
「なんだよその姿」
さっきまで俺に抵抗にならない抵抗をしていた俺の子供、フェルトは体を黒いマントで体を覆い、右腕は真っ黒の悪魔のような腕になっている。そして、フェルトの髪と目は日ありをも飲み込む黒色になっていた。
「お前、・・・・・面白い!」
俺は少しばかり本気を出す。
「
フェルトが纏っている黒いマントは消せない。
「じゃあ、これはどうだ。
俺は自分の目の前に龍の形をした龍を生成し、龍の力を纏わせる。
「さっきよりかは強くなったぽく見えるけど、お前は俺に勝てないよ」
俺は手で龍を操作し、フェルトに向かわせる。
『バシュッ』
俺の左腕が消える。
「フェルト、お前何した」
俺はフェルトに聞くが、フェルトは何も答えない。フェルトは魂の入っていない抜け殻のような目で俺を見る。
「調子にのるなよ。
俺は自分を無敵にし、無敵効果時間を延ばし、腕を止血してからフェルトに攻撃する。
「喰らえ!」
俺はフェルトの右腕を吹き飛ばす。だが、フェルトは痛みを感じていないのか左腕で俺をおもいきり殴り飛ばす。
「ちっ」
俺は体をひねり、フェルトの拳を回避する。
「じゃあ、これはどうなんだ。心のない化け物!」
俺はフェルトの後ろで呪いによって苦しんでいる娘めがけて光の矢を数本生成し、放つ。
『ザッ』
フェルトは動く、そして、何の異能力も使わずに光の矢を全て体で受けきる。
「へぇ、やっぱりその娘は守るんだ。でも、俺を殺さないとその娘はあと2分もあれば死ぬ。お前はどうあっても救えない!」
フェルトは感情の入ってない、人形のような表情で俺に殴りかかってくる。
「感情がないやつをいたぶっても面白くないんだよ!」
フェルトの拳を右手で受け止め。
「
フェルトの左の手からフェルトの体に向かってヒビが入っていく。
「崩れろ!」
フェルトは完全に体が崩れる前に俺を蹴ってバックステップを踏み、後ろへ下がる。
「危険ぐらいは感じれるみたいだな」
フェルトは地面に落ちていた刀を拾い上げる。
「来いよ、次は殺す気で戦ってやる」
俺は身体強化の異能力を4つ組み合わせる。
「
フェルトは刀で斬りかかってくる。俺はその刀を力強く殴る。
『ピシピシピシ』
刀にヒビが入る音が聞こえる。フェルトの行動は刀にヒビが入ったとき、ピタリと止まった。
「どうした? そんなに刀が壊れるのは嫌か?」
俺はフェルトにそういうが、フェルトはまたすぐに刀で斬りかかってくる。
「なんだよ、どちらでもいいんじゃねえか」
俺はフェルトの攻撃を全て素手でいなす。
「俺の左腕を消した罰は受けてもらうぞ。
俺はフェルトに向けて風と炎の波動を放つ。
フェルトに風と炎の波動が完全に当たったと思った、だが、フェルトは無傷で逆に俺の脇腹がえぐられる。
「はぁ、はぁ、
俺はすぐに脇腹を再生する。
「手加減をしたとはいえ、まさか返されるなんてな。お前は俺の目的の脅威になるかもしれないな。早めに殺しておかないとダメそうだな」
俺は俺が使える限りの全身体能力上昇の異能力を自分にかける。
「死ね!」
俺は一瞬でフェルトとの距離を詰め放出系の異能力はさっき聞かなかったから、おもいきり殴る。
『ドシッ』
フェルトの顔にノーガードで拳が入り、そのまま後ろに殴り飛ばされる。
『ドゴォォン』
フェルトがぶつかった部分の壁が崩れる。
「まだ死なないのか、まぁ、次で楽にしてやる」
俺は拳を後ろに引き、足に力を入れて、一気にフェルトとの間合いを詰めてフェルトの腹めがけて拳を前に出す。
『ドスッ』
フェルトの腹に穴が開く。だが、フェルトの目はまだ俺を見ている。それどころか、左腕で俺の腕を掴み、腕を折ろうとしてくる。
「お前に痛覚はねえのかよ!」
俺は左足でフェルトの脇腹を思いっきり蹴る。フェルトの口から血が吐き出される、それでもフェルトは俺の腕を話そうとしない。それどころか左手にさらに力を入れ、防御力を最大まで上げているのに俺の骨はミシミシと音を立てる。
「わかったよ、お前の覚悟はわかったよ。お前が死ねばあの娘だけは助けてやる」
俺が言った言葉は本心だった。フェルトは俺がそう言った瞬間、左手から力を抜く。
「じゃあ、これで終わりにしてやるから。
フェルトの胸に刃を向けた紫色の槍が生成される。
「じゃあな」
槍は体を貫いた。
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