第49話氷刀・氷龍刃
《異道具作りSIDE》
私たちは昼ごはんを食べたあと、ムイちゃんたちはフェルトが生成した炎の近くで温まり、フェルトは熱湯とお風呂を作ってくると言って何処かへ行ってしまった。
「スズちゃん、スズちゃんの能力を借りたいんだけど今大丈夫?」
私は馬車の馬を撫でたり、じゃれあったりしているスズちゃんに尋ねる。
「いいですよ」
「じゃあ、少しここで待ってて」
「わかりました」
私は馬車の中から完成図、獣の討伐品、アクセサリーショップで安く売ってもらった異鉱石をスズちゃんのいるところへと持って行く。
「これなんだけど作れそう?」
私はスズちゃんに完成図を見せる。
「面白いですね、パーツひとつひとつを組み合わせるんですか。・・・・多分できないことはないと思います」
スズちゃんはそう言って完成図をさらに見る。
「市場で売ってた日本刀っていう武器をイメージして完成図書いたんだけど、これに異鉱石を組み込みたいんだけど、どこに組み込むか迷っててそこに組み込んだ方がいいと思う?」
私は異鉱石を組み込む場所を決められなかったのでスズちゃんに聞く。
「そうですね・・・・この刃を異鉱石と獣のツノなどを混ぜて作るというのはどうでしょう?」
「・・・・そんなことできるの?」
「はい、一様」
スズちゃんはそういうとどの部分から作るか聞いてくる。
「じゃあ、まずは柄って言われてる持つ部分から作ろうかな」
私はスズちゃんにそう提案すると。
「長さはこんなに短くていいんですか? 私が研究所で見た日本刀は両手で握っても結構はみ出てましたよ。この長さで作ったら両手で握った時、結構狭くなってしまいますよ」
どうやらスズちゃんは研究所で日本刀を見たことがあるらしい。
「フェルトは双剣使いだから大丈夫だよ」
私がそういうと。
「え、フェルトさんにあげるんですか? 異鉱石って結構値段が張る代物ですよね。私はてっきり自分のために作るのだと」
「ごめんね、そういえば言ってなかったね」
「いえ、ここ最近でフェルトさんは悪い人じゃないとわかったのでいいんですが、自分のはいいんですか?」
スズはそう言って聞いてくる。
「私のは武器じゃないけど、フェルトがくれた異道具のかんざしがあるから大丈夫」
私は髪につけてるかんざしを触って言う。
「そうなんですか。アクアさんはフェルトさんのことが本当に大好きなんですね」
スズちゃんはそう言ってクスリと笑う。
「べ、別にそこまでじゃないってばー!」
私は顔を赤くしながら言う。
それを見てかスズちゃんは笑った。
少しして。
「じゃあ、柄を作るための素材をください」
スズちゃんは服の袖をめくり上げてそう言う。ちなみに今スズちゃんが来ているのは最初に会った時の薄い布みたいな服などではなく、私がフェルトに買ってもらった服を着ている。
「じゃあ、一角獣のツノと
「わかりました」
スズちゃんは私が私た材料を手に取ると手際よく作り始めた。
「できました」
数分もしないうちにスズちゃんが柄を私に渡してくる。
「そういえば、つばはつけなくていいんですか? この完成図だと柄にそのまま刃がついてる感じですけど」
スズちゃんが聞いてくる。
「フェルトが前『剣についてるこの少し飛び出してる部分がなければもうちょっと使いやすいのにな』って言ってたからわざと外したの」
私がスズにそう伝えると納得したのか『そうですか』とだけ言った。
「じゃあ、異鉱石(水色)、黒曜石、軽量の羽、竜の牙で作ってくれる?」
私は刃の素材を大きめの袋に入れてスズちゃんに渡す。
「これだけ珍しい素材たちを組み合わせるので少し時間がかかります。それでもいいですか?」
「いや、普通は加工するのに3年とかかかる素材が入ってるのに少しの時間って、それで文句言う人はいないと思うよ」
私がそう言うとスズちゃんは驚いていた。
「え、そんなに驚くこと?」
「研究所では早く作らないとひどい目にあってましたから」
スズちゃんはそう言う。
「ごめん、嫌なこと思い出させたね」
私は素直に謝る。
「いえ、じゃあ作りますね」
スズはそう言って能力を使う。
刃ができたのはスズちゃんが作り始めてから2時間経った後だった。
「できました」
スズは氷の地面の上に刃を置いて私に伝えた。
「アクアさん、どうですか?」
スズちゃんは私に感想を求めてくる。
「すごいよ、それにすごく綺麗!」
スズちゃん作った刃の色は明るい水色で、振るだけで中級獣を切断できるような切れ味を持っているように見える。
「そうですか、ありがとうございます」
「お礼を言うのはこっちだよ。何か私にできることはない?」
「じゃ、じゃあまたアクアさんの料理を食べたいです」
スズちゃんはそう言って笑う。
「わかった、じゃあ私の一番得意な料理を食べさせてあげる」
スズちゃんは私と約束をしたら『能力を使いすぎたので少し寝ます』と言って馬車に入って行った。
私はできた刀に思いと、異能力を込めた。
《夜ご飯》
僕が馬車に戻ったらアクアが夜ご飯の準備をしていた。
「アクア、エルたちは?」
「エルたちなら炎の周りにまだいるよ」
アクアは炎のある方に指をさす。
そこには、四人で固まるように座っているエルたちの姿があった。
「そろそろ夜ご飯できるから座って」
アクアはそう言ってお皿に盛り付けて行く。
僕たちは夜ご飯を楽しく喋りながら食べた。
エルたちもだいぶ顔色が良くなっていた。
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