第48話武器投影
《エルの強さ》
「まずはエルさんのを作りますね」
スズはそう言って一角獣のツノを手に持つ。
「
スズが持っていた一角獣のツノが真っ白の光に包まれる。
「できた」
スズはそう言って真っ白な片手剣を得るに渡す。
「ありがとう。でも、もう作らなくてもいいぞ」
エルがそういうとスズは何を言っているのかわからない顔をしている。
「まぁ、見てればわかるけどね」
エルはそう言って黒い何かとの間合いを詰めていく。
黒い何かはエルが来たことを認識したのかエルめがけて拳を振り下ろす。
「「危ない!」」
スズ、ムイ、ハイド、ジル、アクアは一斉にそういう。だが、黒い何かの拳はエルにはあったていない、代わりに空から黒い腕が一本エルの近くに落ちていた。
「おぉぉぉお」
黒い何かの腕は一瞬でエルに切り落とされていたのである。
「まだまだいくぞ」
エルはそういうと黒い何かを一瞬で切り裂いてしまう。
そして、エルにやられた黒い何かは灰になって空えと消える。
「「あの人は何者なんですか?!」」
アクアたちが一斉に聞いてくる。
「エルは剣の才・・・殺しの才能が時代最強と言われてたからね。まぁ、エルの異能力があまり強くないってこともあるけどエルはひたすら剣の腕を鍛えてたんだ」
僕はアクアたちに説明する。
「何話してるんだ?」
エルがこちらにやって来た。
「もう終わったの?」
「まぁ、フェルトよりは強くなかったよ」
「剣術だけで僕を倒した人が何言ってんの?」
「それは昔の話でしょ。もう僕は勝てないよ」
僕とエルがこんな会話をしていると。
「3体だけだったといえ、あの失敗作たちは相当強いはずなんですけど」
スズが夢でも見ているかのような反応をしている。
「相手がたまたま剣が通る相手だっただけだよ」
エルはそう言って笑う。
「もうこの空間にいたら私の常識が崩れそうです」
スズはそういうと小さくため息をついた。
「そういえばスズにあんな能力があったんだね」
「あ、すみません」
「え、なんで謝るの?!」
「いえ、ずっと黙っていたので」
「別にそんなの気にすることじゃないよ。それに、スズのおかげで助かったんだし」
僕はスズに笑いかける。
「本当にアクアさんが言った通りでしたね」
スズは少し恥ずかしそうにそう言った。
「ん、アクア何かあったの?」
「スズちゃんからその能力のことについて相談されたからね」
僕はアクアとスズから大体のことを聞かされる。
「そうなんだ。ごめんねキラーズの王と同じような顔立ちで。僕もなんでなのかわからないんだ」
僕はスズに頭を下げて謝る。
「いえ、そんな、私が勝手に警戒していただけなんですし。その、私も助けてもらったのに警戒していてすいませんでした」
今度はスズが僕に頭を下げる。
「そろそろ馬車でいかない?」
エルがそう言って僕とスズの間の気まずい空気を壊してくれた。・・・・ありがとう。
それから僕たちは十文山を抜けた。
《雪山で事件》
僕たちは3つ目の山、白雪山の雪で見えにくくなった崖から落ちている。
「フェルトどうにかしてー!」
アクアは僕に抱きつきながらそういう。
「もう少し待って、じゃないと落下ダメージが大きくなるから」
僕はみんなが地面に当たるギリギリのタイミングで時間を止めて落下衝撃を殺す。
「エルどうする? ここから登るのは不可能だよ」
僕は落ちて来たところを見上げる。今僕たちが立っているところから崖の上まで軽く3キロメートルはあるだろう。
「フェルトお兄ちゃん、こっちに道があるよ」
ムイが洞窟を見つける。
「まぁ、他に行く道ないし進むか」
僕はそう言って馬車の馬を引っ張って洞窟の中に入って行く。それを追うようにしてアクアたちも入って行く。
洞窟の中は意外と広かった。
「わぁ、綺麗」
アクアが周りの光る鉱石を見ていう。
「フェルト、今日は一旦ここで休もう」
いきなりエルがそんなことを言う。
「なんで?」
「はっきり言って、お前とアクア以外みんなめちゃくちゃ寒いんだよ」
確かにエルの表情はあまり良くない。
「雪に濡れたせいで服が濡れてさらに寒くなってるんだから」
エルが震えながら言う。
「わかった、今日はここまでにしよう。あと少し待って」
僕はみんなにそれを伝えると、馬車を停止させ馬車から少し離れたところで。
「
僕は炎を生成させる。
「これで少しは楽になるでしょ?」
「ああ、助かった」
「みんなもこの炎の周りに集まりな」
僕はムイたちにそう言う。
「そろそろ昼ごはんの時間だから私が料理するから、ムイちゃんは炎の前で休んでるといいよ」
アクアはいつもと変わらない表情でムイに言う。
「すいません。お願いします」
ムイの表情はあまり良くなかった。
「私にも何か手伝えることはありますか?」
スズがアクアに訪ねていた。
「スズちゃんは炎の前で温まって来なよ」
「いえ、これでも狼の端くれですので寒さには強いんです」
「じゃあ、そこの肉を切ってもらえないかな?」
「わかりました」
アクアとスズの初めての共同料理が始まった。
少ししてから。
「できたからフェルトお皿並べて」
アクアは僕にそう指示する。
「わかったよ」
僕は人数分の皿を馬車の中から取り出す。
「ランチのメニューはあったかいシチューだよ」
アクアはそう言ってお皿にシチューを入れて行く。
「美味しいです」
スズが目を見開いて言う。
「そっか、スズはアクアの手料理食べるの初めてだっけ」
「はい」
「最近はずっとムイちゃんとハイドが作ってたもんね」
「ムイちゃんたちの料理も美味しいですよ」
「多分、僕以外みんな料理うまいから」
僕は苦笑して言う。
そのあと僕たちは色々と話しながら昼ごはんを食べた。
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