第二章 世界の改変

第43話異変

SIDE



 私は森の中を走っていた。


『フェルトは身勝手だ。私の気持ちも知らずに』


 私はフェルトに対する言葉を頭の中で言って行く。私はそうしながらも森の中に入って行く。


 もうどこまで森の奥に入っただろうか。あたりは薄気味悪いほどに暗く、大きな木が太陽の光を遮っているせいで全く日差しがささないところに来てしまっていた。


「ここどこだろう?」


 私は辺りを見回す。


「そろそろ戻ったほうがいいのかな・・・・・・・でも、戻ったところでフェルトとまともに顔を合わせられる自信がないな」


 私は一人そう呟きながらも来た道を戻ろうと足を進める。


「ドシン、ドシン」


 私は地面が揺れてることに気づいた。


「何、あれ」


 私は森の奥の方から来ているゴーレムたちを見て声を漏らした。


「なんでこんなところにゴーレムがいるの」


 私は考える。


「ドシン、ドシン」


 そうこうしている間にもゴーレムたちはこっちに向かって前進して来た。


「なんでこんなところにゴーレムがいるのかはわからないけど街に被害が出るかもしれないからここで討伐しておかなきゃね」


 私はゴーレムの大群に向かって氷の礫を放つ。


「ドシン、ドシン」


 ゴーレムは氷の礫を受けたにもかかわらず何事もなかったかのように前進してくる。


「どれだけ固いの。じゃあ、これならどう。氷化ひょうか


 ゴーレムたちが凍って行く。


「これならゴーレムは動けないでしょ」


 私が後ろを向いて戻ろうとした瞬間。


「ドゴッ」


 私の体から鈍い音がする。


「グハッ」


 私はそのまま後ろにある木に衝突した。


「何が、起こったの?」


 私は今の状況を把握するために辺りを見る。


「なんで、ゴーレムには知能がないはずなのに」


 私の周りはゴーレムで囲まれていた。


「おま、えは、誰だ」


 私は唖然とする。なぜならゴーレムが喋ったからだ。


「なんでゴーレムが喋れるんだ!」


 私はゴーレムに問いかける。


「・・・・・・・・」


 ゴーレムは何も喋らない。


 私の目の前にいるゴーレムは腕を振り上げる。


「氷のアイスシールド


 私はとっさにゴーレムと私の間に氷の壁を作る。


「ドゴォン」


 ゴーレムのパンチは氷の壁に直撃する。そして氷にヒビが入り貫通し私のガードしていた腕に直撃する。


「つぁぁぁ」


 私の体は後ろの木を貫通する。


「どれだけ、強い力を持っているの」


 私の視界は赤く染まって行く。

 ゴーレムは腕を振り上げる。


「こんなとこで死んでたまるか。氷の魔術師アイスウィザード


 私の髪の色、服装が変わる。


「凍れ」


 私はそれだけ言うとゴーレムは氷、動かなくなった。私の纏も解かれている。


「これだけ力使ってやっと一体か」


 私の意識はだんだん遠のいて行く。ゴーレムたちはそんなの気にした様子もなく私に攻撃しようと近づいてくる。


『私、こんなところで一人で死ぬのかな。・・・・バチが当たったのかな。・・・・許されるのなら、フェルト、助けて」


 私の意識は目の前に見覚えのある少年の背中が見えた時に途切れた。





 僕はアクアを追いかけていると、目の前にゴーレムの集団が見えた。


「なんだあれ、なんでこんなところに野生のゴーレムがいるんだ?」


 僕は跳躍しゴーレムの先を見る。


「アクア!」


 そこにはゴーレムに殴られかかってるアクアがいた。

 アクアの片目は真っ赤に染まっており、両腕ともに青くなっていた。


時間停止タイムストップ


 僕は時間を止めすぐにアクアを攻撃しようとしているゴーレムの前に行く。


黒炎ダークファイヤ


 僕はゴーレムを黒い炎で灰にする。

 その時にちょうど時間が動き出し、周りのゴーレムたちはいつの間にか現れた僕に驚いているようだった。


「ガァァァ」


 ゴーレムの群れの一体が叫ぶとゴーレムは3体1組を作る。


「なんだあれ、ゴーレムが知能を持っている?」


 僕はそう呟くと、ゴーレムたちは連携をとって攻撃してくる。

 僕は最初に攻撃してきたゴーレムを避ける。次にきたゴーレムの攻撃も避ける。その次も、その次も避ける。だが、ゴーレムの攻撃スピードは確実に上がっていた。


「ぐはっ」


 僕の懐にゴーレムの重たい一撃が当たる。

 僕の体はそのまま地面に叩きつけられ地面に大きなくぼみができる。


「これ、炎ですぐに盾を作ってなかったら死んでたな」


 僕はダメージを受けたところをキュアで回復して行く。


「これじゃあいつまでたっても状況はよくらないな。・・・・そうだ、アクアがやってたみたいに能力で龍とか作ってみよう」


炎龍エンリュウ


 僕の後ろに大きな龍・・・・ではなく大きな炎の鳥が現れる。


「・・・・え、これ龍じゃなくて鳥じゃん。どこかで龍の形間違えたかな」


 炎の鳥はゴーレムを見るなりいきなり突撃しに行った。


「キュアァァ」


 炎の鳥はそうなくとゴーレムの体を貫通する。


「・・・・・え、すご」


 僕が唖然としていると、炎の鳥の上から大量の水が落ちてくる、水だけではなく雷まで落ちる。炎の鳥は地面に落とされ消えてしまった。


「近くに人間がいるのか?!」


 僕は辺りの気配を探る。だが、やはりゴーレムたちとアクアの気配しかない。


「まさか、今のが獣の能力」


 僕はキルが言っていたことを思い出す。


「そう言うことか、じゃあもっと火力があればいいんだね」


 僕はそう言うとまた炎の鳥を作る。そして炎の鳥に黒い炎を融合させる。


「おえ、これ結構疲れるな」


 僕は黒と赤色の混ざった炎の鳥を自分の後ろに生成する。


「存分に暴れてこい!」


 僕が黒赤の鳥にそう言うと、鳥は嬉しそうに。

『キュアァァ』と言い、ゴーレムのたちに近づいて行く。


 またしても黒赤の鳥の上に大量の水が落とされる。だが、水は全て蒸気になって行く。


 黒赤の鳥は次々にゴーレムを焼き灰にして行く。


「すごい」


 僕は黒赤の鳥にきおとられて、僕の後ろで攻撃しようとしているゴーレムに気づかないでいると黒赤の鳥から炎の刃が出され僕の後ろのゴーレムを灰にする。


「強すぎでしょ」


 それから少しして黒赤の鳥はゴーレムを全て倒して僕の方へ戻ってきた。


「まだ、消えないでね。アクアを連れて馬車にもどりたから」


 僕はそう言うと黒赤の鳥は僕に背中を見せてきた。


「じゃあ乗らせてもらうね」


 僕はアクアを抱え黒赤の鳥の背中に乗って空を飛び馬車の方へ戻って行く。




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