第34話助けに
《謝罪》
僕は服屋の一室で目覚めた。
僕は辺りを見回すと僕が寝ているベットの横にハルトが座っていた。
僕は、さっきより頭が冷えていた。
「よぉ、起きたか」
ハルトが僕に言ってくる。
「ごめん、さっきは少し・・・結構不安定だった。信じられないとか言っときながらここまで運べって言ったし。本当にごめん」
僕は気を失う前に自分がしたことを振り返る。
「図々しいのはわかってるんだけど、おねがいがある」
僕はハルトに頭を下げながら言う。
「どうせ、お前の仲間を救ってくれとかそんなんだろ?」
ハルトは僕の気持ちを見透かしたようにそう言うと微笑した。
「ああ、頼む」
「わかったよ、でもお前はあと二日はおとなしくしていろ」
「それは無理」
僕はハルトがいいた言葉を否定する。
「じゃあ、聞くけど、お前立てるのか?」
ハルトが聞いてくる。僕は立とうとするが足に力が入らない。
「え、なんで立てないの?」
「それは、お前の体力が限界だと言う証拠だ。それに、お前が気を失ってからもう1夜明けている」
僕は衝撃な事実を告げられた。僕がこうして寝ている間にアクアはどんな目にあっているのかと思うと、胸が張り裂けそうだ。いや、下手したら殺されているかもしれない。
「なおさらこんなことしてる場合じゃない」
僕は足に力を入れようとする。だが、立てない。
「はぁぁ、そんなに早く行きたいのか?」
ハルトが聞いてくる。
「当たり前だ」
僕は即答する。
「フェルト、ネイとお前の仲間を重ねるのはやめろよ。ネイを助けられなかったことを悔やんで、せめてもの償いと思ってるのなら完全に空振りだ。本当に助けたいのか?お前の本当の気持ちはどうなんだ?」
僕は黙ってしまう。確かに僕はネイとアクアを重ねていたかもしれない。だけど、僕はアクアを助けたい。この気持ちはまぎれもない僕の本心だ。だから。
「僕はアクアを助けたい、そのためにハルトの力を貸して欲しい」
僕はハルトに言うと。
「わかったよ、それと、お前の仲間はなんか買い物行ってくるとか言ってたぞ」
僕はハルトの言葉を聞くと嫌な予感がした。でも、あまりそれを考えなかった。
《拷問SIDE》
時は少し先に進む。
男たちが牢屋から出て言ってから、三日はたっただろうか。
私は何も飲まず食わずで椅子に縛り付けられている。幸い冬だからか、汗を掻くとこともない。
「お腹すいたな、喉乾いたな」
私はそれぐらいしか考えられなくなってきた。
「ガシャン!」
牢屋の扉が開く音がした、私は身構える。
牢屋の出入り口にはここにきた時に喋った男が何かを持って入ってきた。
私は目をこらす、男が持っていたのは、いろいろな凶器が入った袋だった。
それを見た瞬間、私の体は震えだす。
「さて、そろそろ情報を吐いてもらおうか」
男はそう言うと袋の中から金属でできた棒を取り出す。
そして男はなんの躊躇もなく私に金属の棒を当ててくる。
「ガハァ!」
金属の棒は私の脇腹に直撃した。
胃が逆流して吐きそうになるが、何も飲んだりしていなかったためか口から出るのは苦しそうな声だけだった。だけど私は男を睨みつける。
「じゃあ、もっとやりますか」
男はそう言うと私の顔、腕、足、腹と金属の棒を当ててくる。
でも、私は意地でも吐かない。フェルトが来てくれると信じてるから。だって、絶対に助けてに来てくれるってあの夜約束したから。私はそう思い自分の髪に集中する。だが、私の髪は束ねられていなかった。
「え・・・なんで、私の髪束ねられてないの」
私の髪は、フェルトからもらった髪留めはつけておらず、椅子の背もたれにかかっていただけだった。
「何を言ってやがる、元からお前はそんなものつけてなかっただろ」
男が笑って言ってくる。
『嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。』
私の頭は現実を受け入れるのを拒否している。
「そんなに髪留めが大事だったのか?さっきと比べてだいぶおとなしくなったじゃないか」
男は笑っている。
でも私はそんなことは気にしなず、髪留めのことを考えていた。
『フェルトからもらった髪留め。私の大事な髪留め。フェルトとの約束の象徴』
私は男のことなど気にしず、髪留めのことを考えていた。
それから3時間ぐらいしただろうか。
男は私の口に水と食料を彫り込んでから牢屋を出て行った。
私の体からはありとあらゆるところから血が出て、体の骨が折れていた。
「フェ、ると・・た・・・て」
私は声を少し出した。
《限界突破》
フェルトは服屋の一室で椅子に座りながら炎を操っていた。
すると頭の中に、『フェ、ると・・た・・・て』と行っているアクアの声が聞こえた。
「え、今の声ってアクアの。助けてって」
僕は恐怖に襲われる。
僕がこうして座っている間にアクアに何かあったんじゃないかと思うと、すぐに立とうとする。だが、立とうとしても足に力が入らない。さっきほど力は入るがまだ立てない。僕は椅子に座って少し考えた。そして。
「炎の
僕は炎で身を覆うと宙に浮かんだ。
「よし、これならいける」
僕は頷く。体力は回復していたから能力は普通に使えるようになっていた。
僕は時を止める能力を使ってみる。
「
僕は行った瞬間コインを落とす。コインは空中で止まり落ちない。
「よし、一様使えるな」
僕は足に能力を使う。だが、足は回復しなかった。
「なんで回復しないんだろ」
僕は少し考える。だが、答えは出なかったから保留にしておいた。
「じゃあ、置き手紙書いといて」
僕は机の上に一通の手紙を置いておいた。
「アクア待っててすぐに行くから」
僕は窓から飛び出すと空を飛んで城に向かった。
一方、ドアの隙間から誰かがフェルトが出て行くのを見ていた植物がいた。
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