第22話久々の彼女



 僕は、フェルトくんたちと、別行動をとって、彼女のいる、牢屋に向かっている。


『ジル、一緒に来てもらえば良かったんじゃないのか?』


 キルが、問いかけてくる。


「それはできないよ、彼らの目的は、あくまで研究所の崩壊だからね」

『そうか』


 キルは少し納得していなかったようにも思えたが、僕はあまり気にしなかった。


 地下牢の中には、彼女がいた。


「ハイド! 助けに来たよ」

「え、もしかして、ジル?」

「そうだよ」

「・・・っ、何で戻って来たの!」

「君を助けたくて」

「何のために、私があなたを外に出したと思ってるの!あなたに生きていてほしいから、外に出したのに」

「それを言ったら、僕だって君に生きてほしい」

「・・・・え?」

「僕は、君をここから救うためにここに来たの」

「で、でも。あなたと私だけじゃあ、前みたいになるうよ」

「だから、助っ人を呼んであるんだ」

「助っ人?」

「裏組織潰し」

「・・・え」

「彼らが、ここに来てるんだ。だから、ここに簡単に侵入できたんだ」

「そうなの。ジル、もう私はいいから、君だけ逃げて」

「そんなことできなよ!」

「もう私は、人間じゃないのよ!」


 彼女、いやハイドの右肩に黒い色の翼が生えていた。


「も、もしかして。キメラ化したの?」

「うん、だから、私のことは、ほっといて」


 ハイドがそう言った瞬間。


「よぉ〜、久しぶりだな、ジルく〜ん」


 声がした先にいたのは、白衣を身にまとった、金髪の男がいた。


「お前は、キン」

「久しぶりだね〜、どう僕の、実験結果?」

「まさか、ハイドをこんな風にしたのはお前か?」

「そうだよ〜、彼女、最初は抵抗してたのに、君の名前を出した瞬間、抵抗をやめたんだよ〜、面白いよね」

剣舞けんぶ


 剣の舞が、キンを包む。


「な〜に、僕と殺ろうってんの?」

「お前は、俺と、ジルで殺す」

「何だ、今はキルくんか」

「剣よ敵を串刺しにしろ」


 剣が、キンをめがけて、一斉に飛んでいく。


金属体メタルボディー


 キンに剣が当たっていくが、キンは無傷だ。


「な、何で」

「僕の、能力だよ〜、体を鋼鉄に変えられるんだ」

「じゃあ。剣生成メイクソード


 剣を生成し、キンに斬りかかる。

 キンは腕で剣を受け止める。


「キルク〜ん、バイバ〜い」


 キンは、俺の体を殴った。

 瞬間、俺は後方に吹き飛ばされた。


「君には、放出系の技は効かないから、殴らせてもらっよ」

「キン!約束が違うじゃない!」

「約束〜。あぁ、あれか、君を実験隊にする代わりに、ジルくんには、手をだあさないっていう。・・・まさか、本当に信じてたとは〜、これは、傑作だ、そんな約束、僕が守るわけないじゃ〜ん」

「な、なんで、何で約束守ってくれないの!」


 ハイドが怒声を放つ。


「ジル、逃げて。お願いだから逃げて、ジルじゃあ、こいつには勝てない」

「今の、俺は、ジルじゃねえけど、ジルからの伝言だ。

 絶対に君を助けてみせるから、助けるまで待っててだそうだ」

「・・・つっ」


 俺は、牢を切った。


「さぁ、早くここから出てくれ、それが、ジルからの願いだ」

「わかった、でも、私も戦う!」

「・・・わかった、俺は君の能力を知らない。だから、戦ってる途中で見せてくれよ」

「わかった」


「キルく〜ん、終わった?」

「何だ、待っていてくれていたのか」

「そりゃ、久々の再開なんだから〜、待っててあげるよ」

「そこは、助かったなぁー。じゃあ、続きを始めようか!」

「まぁ、二人になっても勝てないと思うけどね」


 俺とハイドは戦闘態勢に入る。


力石パワーストーン


 俺の、身体能力が強化される。


「ジル、今から、攻撃開始だね」

「だから、俺はジルじゃない、キルだ」

「どっちも、ジルだからいいの!」

「まぁいいや、君の能力は強化だけ?」

「いいや、私の、能力は今から使うから、すぐに攻撃して。落石ストーンドロップ


 キンの上に、大きな岩が落ちる。

 だが、キンには、ダメージが通っていなかった。


「それぐらいじゃあ、僕は倒せないよ〜」


「ジル、あいつに、私が触れるための隙を作って」

「何か考えがあるんだな」

「うん」

「わかった」


 俺は、すぐに剣を作る。


「いくぞ、キン」

「いいよ〜」


 俺はキンを切ろうとする。

 キンはその、ダメージをほぼ無しにする。

 キンは、殴ってくる。

 俺は、それを避ける。


 そっれを繰り返していた。


「ジル、もう、触れた」

「よし、じゃあ見してくれ」

「うん」


「何をする気だ?」


蛇女メデューサ


 キンが石になっていく。


「な、何だこの能力はー」

「この能力を使ったら、代償として、体のパーツが一個なくなるんだよ、でも、君がつけた、翼を代償にすれば良かったんだ」

「く、くそがー!!!」


 キンは最後にそう叫び、石化した。


「ハイド、久しぶり」

「ジル!」


 僕は、久々にあった、ハイドと休憩しながら話した。




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