第11話炎と重力
《
僕は今、重力使いと戦っている。
「
「ぐおぉ」
全身に圧力がかかる。
「
能力を止め、なんとか回避。
「なんで、死んでくれないんだよ!」
「今ここで死んだら、復讐が成し遂げれないし、こっちにくるなって言われてんだよ」
「そんなの破って早く死ねよ〜」
もう相手はやけくそだ。
さっきから、威力がバラバラだ。
「もういい、お前にはこれを使う。0
重力使いの手に、黒い球体が浮かぶ。
「死んじゃえー」
黒い球体が投げられた。
僕はそれを回避する。
黒い球体は壁に当たった後、壁が浮いた、そして、壁の端などが縦、横自在に広がり、壁が引きちぎられた。
「お前、それは使うなって言っただろ!」
「すいません。あいつはさらに本気を出さないと殺せないので、ここを破壊してもいいという許可を」
「・・・わかった。被害は最小限に抑えること、それと、やるからには絶対に殺せ!」
「ありがとうございます」
戦っている時の彼と話している時の彼とでは別人のように見えた。
「さぁ、ここからが本気だ」
「まだ、本気じゃなかったのかよ」
「
僕の後ろに大きな黒い穴ができる。
「グォーーー」
ものすごい勢いで僕の体を吸い込もうとしてくる。
「くそ!
黒い穴は吸引をやめた。
僕はすぐにその場から離れる。
「あんた、あれ、ブラックホールか?」
「そうだよ、ブラックホールも言っちゃえば重力だからね」
「ちょっと、チートすぎない?」
「君に言われたくないよ。じゃあ、次は殺す気で行くから」
無数の黒い穴が僕の周りに現れる。
「引きちぎられて、しねー!」
僕は、一つづつ確実に避けて言った。
さっきほど近くはなかったから避けるのもさほど難しいものでもなかった。
「おら、おら、おら、どうしたさっきから避けてるばかりで全然攻撃してこないじゃないか!」
確かに、避けてばかりいては、こちらの体力がどんどん消費されて行くだけだ。
「これで最後〜のブラックホールだ」
最後のブラックホールは超特大だった。
「
僕はすかさず、時を止める。
「これで全部避け切ったぞ!」
その瞬間、僕は激痛に襲われる。
そこには、全部避けたと思われていたブラックホールが、僕の脇腹を引きちぎり、吸い込んでいた。
「ウワァアアアアァァッァァ!」
「あーごめん、最後のっていうのは嘘ねー 笑 」
さっき時間を止めたせいで時間を戻せない。もう何回もクールタイム無視していたから、それもできない。
「ははははは。しね。
僕に特大の圧力がかかる。全身が地面に押さえつけられる、さっき受けた攻撃で損傷した脇腹が、重力によってさらに激痛を走らせる。
「グァァアァァァ」
「あれまだ死なない?」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「全く、早く死ねばいいものを・・・そっか僕の力が足りてないんだ。だったら最大威力のブラックホールを作ればいいんだ!」
彼が何を喋っているのかはわからない、ただ、彼がやばいことを考えていることは表情から見て取れた。
「
黒い穴が僕の後ろに現れる。
その時、
「黒い穴よ固まれ、
黒い穴は一気に固まった。
フェルトの怒り
「誰だよ〜、せっかく殺すまであと少しだったのに」
僕はこの技には見覚えがあった、けれどその姿は服装持ちがければ髪の色も違う、そんな少女に僕は問いかける。
「アクアか?」
少女は嬉しそうに。
「うん、私はアクアだよ。よかった生きてて」
「アクア、どうしたんだよその姿」
「君みたいに炎を纏う技を氷で再現して見たの」
「あれはリスクが高いんだぞ」
「リスクが高いから無理って逃げてちゃ何もできないでしょ!」
正論を言われた。
「それに君がいなくなったら、私たちはそうするのさ!」
「・・・そ、それは」
「わかったなら早くその傷を治す!」
「できないんだ、能力を使いすぎた」
「じゃあ、できるまで私が時間を稼ぐから」
「頼む」
アクアは手に持っていた杖を敵に向ける。
「せっかくもう少しで殺せたのに、なんで邪魔するかな〜?」
「フェルトは殺させない!」
「威勢がいいね〜、まぁ、すぐに終わるけど」
「な、何言って」
「
アクアの体が、離れた壁に激突する。
「バゴーン」
「何これ」
「重力を壁に集中させただけだよ、君もタフなんだね〜」
アクアの体はさらに壁に埋もれて行く。
「がああぁ」
「いい声で、叫ぶじゃないか。まあ一思いに殺してやるよ!
僕はまた、見ているだけで何もできないのか。・・・嫌だ!そんなの向こうにいるネイや、ハルトに軽蔑される。
それに、今はアクアが僕の守りたい人だ。
僕は能力を発揮する。
「炎の
僕は3歩でアクアの元へ行き。
一振りで黒い穴を切り裂いた。
「なんだんだよ、お前らはよ〜」
相手は明らかにイラついていた。
そんなのは今はどうだっていい。
「アクア!大丈夫か?」
「なんとか、それよりフェルトこそ脇腹の傷は大丈夫なの?」
「まだ直せてないけど、アクアの命の方が優先だ」
「あ、ありがとう」
「アクア後衛頼めるか?」
「任せて」
「よし、じゃあ行くか!」
「うん」
僕たちは連携戦闘状態にする。
「ウゼーんだよ、さっきから、さっきから邪魔ばかりしやがって」
「死ねよ!
「ネイ!」
「任せて!。
「氷龍、敵の全能力を受けて」
重力の技全てを氷龍が受ける。
全てを受けて、氷龍は砕けて消えた。
「フェルト、今なら!」
「行くぞ、重力使い!」
「くそがー!」
「切り裂け、炎のヤイバ!
「グアァァアァァァァ」
重力使いは炎の斬撃を正面からくらい、焼け死んだ。
「アクア、勝ったぞ!」
「うん!やった・・がはぁっ」
アクアの胸に何かが刺さる。
「こくそガキと、小娘が俺の城を散々にしてくれやがって」
そこには、戦闘中ずっと座っていたはずのこの組織のリーダーがアクアを剣で刺していた。
「アクア!!」
「もうこいつは、おしまいだ!」
「死ね、クズ人間が!炎の
「グウォ」
組織リーダーは炎のヤイバによって胴体を切断された。
「アクア!待ってろすぐに助けてやるから」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「
アクアの傷口は完全には塞がらなかった。だがギリギリ一命はとりとめた。
「アクア、お前は絶対に死なせないからな」
「・・・」
すでに、荒くなった息は出てないが、体温が徐々に下がっていっていた。アクア纏っていた氷の装備も消えていた。
僕はすぐに能力を時、倒れそうになるのを気合いで踏ん張る。
「アクア、もうちょっとのしんぼうだ」
僕はアクアを背負い馬車まで走った。
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