第6話フェルトVSラジル



「ラジル!」

「どうした裏切り者」

「私は裏切ってなんかない」

「じゃあ後ろについて来ているやつは誰だ」

「それよりも、あなた私の親みたいな存在だったファーを殺したっていうのは本当なの?」

「誰から聴いた」

「ハイネ」

「そうか、あの女そこまで調べてたのか」

「ラジル認めるのね」

「だって事実だしな」

「くっ 死ねラジル!氷化ひょうか


 ラジルのいた場所に氷の塊ができる。

 だが、ラジルはすでにいない。


「これで裏切り者だな、裏切り者には罰を与えなければいけない」


 そう言った瞬間、彼女の頬を剣がかする。


「これを避けるとはやるな」


 剣が速すぎて見えなかった、それだけじゃない剣がどこにあったかも見えなかった。


「おい、そこのお前こいつを殺したら次はお前だ」

「よそ見をするな。氷槍アイススピアお前、邪魔するんじゃないぞ!」

「バギーン」

「なかなかやるじゃないか」

「うるさい、絶対許さないぞファーの仇!」

「うるさいのはどっちだよ。暴風アディションウィンド


 彼女はいきなり吹いた強い風によって遠くえ話される。


「くそ」

「これで終わりだ。秘剣抜刀」


 ラジルが高速で間合いを詰めて高速で彼女の腕を切り落とした。


「う ウァッァァァァアァッァァァァァァァ」


 脳に直接響くような声僕はたまらず能力を使った。


時停止タイムストップ


 僕は彼女と彼女の腕を回収してラジルと距離をとった。


「うっぐああ」


 彼女のこんな姿を見ていると6年前のあの時を思い出してしまう。

 守りたかったものを守れず、大切な友達と大切な婚約者を目の前で殺された日のことを。だが、今の僕は違うすぐに死んだものであれば生き返らせることができるようになった。だから、今回はちゃんと守る。


時空逆再生タイムトラベラー


 彼女の腕がくっついていき彼女の叫びも次第になくなっていく。


「わ 私は何を、う 腕がくっついている!?」

「よかった腕とか問題ない?」

「全然大丈夫だけどあなた今何したの?」

「君の腕の時間を戻しただけだよ」

「てことは後でまた落ちると?」

「そんなことはない腕が落ちるちょっと前に時間を戻したからそこから腕の時間はスタートしてるから元どおりのはず」

「あ ありがとう」


 彼女は無理に立とうとする。


「まだ立っちゃダメ!ラジルは君の代わりに僕が必ず殺すからだから、この戦いが終わったら君に名前をプレゼントするよ。」

「わ わかった あとはお願い・・・」


 彼女は気を失ったようだ。


「さて、ラジル俺が相手だ」

「お前は俺に勝てねえよ」





「ひとつ聞いていいか?」

「なんだ」

「お前が間合いを詰める時なんであんなに加速するのか不思議なんだ」

「それは自分の体に電気を流して筋肉を活発にさせているからだ」

「なんでそれを教えてくれるの?」

「お前が聞いたんだろ。それに仕組みがわかったとしてもお前に対処できる異能力はないことは調査済みだ」

「わかったありがとう。じゃあ、いくよ。炎刀えんとう

「こい」


 ラジルがこちらに向かって剣を振り下ろそうとした瞬間に。


時停止タイムストップ


 ガジルの動きが止まった。その隙に、3発ラジルの体に切り込んだ。


「がはぁ」

「まだまだいくぞ」

「ちっ。雷風雨ハリケーン


 ラジルが生成したであろう巨大な竜巻が僕に襲いかかる。


「こんなのでやられてたらこの先進めないから通させてもらうよ炎斬ファイアエッジ


 炎の斬撃派が、竜巻を真っ二つにする。


「ちっこれだけじゃ倒せないかなら秘剣抜刀、雷帝進化サンダースピード


 ものすごいスピードで僕に迫ってきた、ラジルは剣をまっすぐ僕の方へ振り下ろした。すんでのところで後ろに避ける、なんとか致命傷を避けるが剣は僕の体をえぐった。


「まだまだいくぞ」


 次々にラジルの技が炸裂する。


「ウァァァァ」



 また、僕は守れないのか・・・


「「そんなことはないよ」」


 この声ネイか!?


「「うんフェルトが大事なもの見つけたらしいから見にきたの」」


 はは見にきたってこのざまじゃね。


「「大丈夫私の能力とフェルトの想像力があれば勝てるから」」


 想像力?


「「形を操ったりする異能力はその人が想像しているものを生成していることが多い、それに、その人の硬い意思が必要なの」」


 硬い意思、想像力


「「そうだから今のフェルトは何を望む?」」


 ラジルを倒して彼女に名前をあげる


「「フェルトならできるから大丈夫。さあ行って」」



「これでとどめだ」


 意識が現実へと引き戻される。

 ラジルは今までとは比べものにないスピードで剣を振った。

 だが僕には、


「結構遅い?いや、これは遅いんじゃなくて僕以外の時間が遅くなってる。」


 僕はまだ知らない自分の能力の使い方に興奮していた。


「じゃあ、ネイ炎の能力を使わせてもらうよ」

「「うん。存分に使って」」

「炎の龍騎士レッドドラゴンナイト


 僕の体に炎が巻き付けられていく、そして炎は鎧の形になり僕の手には日本刀の形をした剣が一つづつ両手に握らされていた。

 時が遅くなる能力が解けたのか。ラジルはまた見えなくなっていた。


「バギーン」


 ラジルの攻撃が炎の鎧に触れた瞬間、剣は少し溶けそして折れた。


「な なんだその姿は!」

「俺の炎を操る能力で生成したものだ」

「ちっ、だが俺の本気の技を思い知れ」

「やれるものならやってみろ」

風神雷神水神さんだいしん


 ラジルの周りに雷のナイフ、風の竜巻、水の球体がが現れた、しかも、一つではなく何十個も出された。


「くらえ。三属咆哮さんぞくのいかり


 全てが一気の僕に押し寄せてくる。が、全て剣で切り落とす。


「な バケモノめ」

「化け物で結構。だってお前次で死ぬし」

「な なめるなー!」

「神速のしんそくのほのお


 またしても周りの景色が遅く見える。


「成功した。あとは切るだけだ」


 そう呟きラジルの体の付近に走っていく。そして、ラジルの体を切断する。


「な何が起こった」


 ラジルが不思議そうな顔をしている。だが、それは一瞬で恐怖の顔に変わった。


「ウガァッァァあっぁあぁぁぁっぁ」


 ラジルは一瞬叫んだあと、ラジルの上半身と下半身がバラバラに地面に落ちた。


「勝った」


 僕は足のバランスが取れずに地面に倒れようとしていた。


「大丈夫?」


 気を失っていたはずの彼女が僕を支えてくれていた。


「な なんとか」

「そうならよかった」

「君にお願いが二つあるんだけど聞いてもらってもいい?」

「聞くだけ聞いてあげるは」

「僕の仲間になってください」

「なんで私みたいな人殺しを仲間に?」

「人殺しって言うんだったら僕も同類だよそれにこれからキラーズに復讐するんでしょ?」

「確かに復讐しようと思ってはいたけどあなたには関係のないことじゃないの?」

「僕は昔キラーズに大切なものすべてを壊された、大切な人、守りたかった人を目の前で殺されたんだ。だから、僕もキラーズに復讐しにいく。それに、仲間がいた方が有利だからね」


 こんな思いを感じるのは何年ぶりだろうか。


「わ わかったはじゃあこれからよろしくお願いします」

「うんよろしく」

「それでもう一つのお願いとは?」

「ああ僕を鳥の宿に連れて言った欲しいんだ」

「え あの話の後にそれ!」

「え なんか悪いこと言った?」

「ふふふ」

「なんで笑ってるのさ?」

「面白くてつい」

「まあいいや。て言うか感情捨てたんじゃなかったの?」

「いつのまにか戻っていたは」

「そうならいいや、あとはお願いしますZZzzzz」


 僕は力尽きて寝た。




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