第2話復讐の始まり
《ネイSIDE》
私は怒りを覚えた。なぜなら、ハルトを殺した犯人が今私たちの目の前にいるからだ。でも、私は同時に私自身に無力を感じている。なぜなら、私はハルトを殺した敵に足を打たれてしまったからだ。
《災厄の場合》
僕は目の前にいるハルトの仇に怒りを覚えた。だが、僕は何もできない。
「じゃあ、抵抗しないでね。そしたらすぐに楽にして上げるから」
男はそう言って笑う。僕にはそれが恐怖でシアなかった。
「
ジールと呼ばれていた少年がそう言って銃からネイめがけて黒い小さな球を放つ。この時僕はただ見ていることしかできなかった。
『ドーン』
目の前で起きていることを僕の脳は拒絶した。
2秒後。
僕の脳は現実を受け入れた。そこには胸に大きな穴が空いたネイが倒れていた。
「ね・・・い?・・・・・ネイ!」
僕はネイの名前をよぶ。なぜか、僕から少し離れたところで地面に座っていたネイが僕の前にきていて、胸に大穴を開けていた。
「あーあ君を狙ったのに。そのこが君をかばったんだよ。まぁ、すぐに君もあと覆わせてあげるよ」
男はそう言ってジールに何か命令している。だが、今の僕にはそんなことどうでもよかった。
「ネイ、ネイ、ネイ!」
僕は何度もネイの名前をよぶ。
「フェルト、うるさいよ、ねれないじゃない」
ネイが今にも死にそうな声でそう言う。
「ネェい、あぁぁあ」
僕はネイを抱えてなく。
「うるさいって言ってんでしょ。それに今はなく時じゃないでしょ。私が助けた命、無駄にしたら許さないんだから。・・・・最後に私の気持ちを伝えておく、ね。私はフェルトのことが好きだったよ」
ネイは笑い、目を閉じた。
「ネイ、ネイ、目を開けてくれ、頼む、お願いだ。ぼくはまだ君にこの想いを伝えられてないんだ、一方的に伝えて死ぬなんてそんなのずるいよぉ」
僕はネイの体を強く抱きしめる。
「はぁー、すぐに君も後を追うんだから、助けるなんて意味の無いことなのに。全く、自分の命を捨ててまで守るなんてバカなんじゃない?」
男はそう言って爆笑する。
「黙れ」
僕の周りに黒い光が纏い始める。
「君、今この状況がわかってる? 君にはどうやっても勝ち目はないんだよ」
男はそう言ってから地面に手をつき、土の龍を5体生成する。
「それ以上喋るな。確かにそっちの方が有利だ、だけど俺は生きろと言われただから今はそれを最優先事項として全うする」
僕の体を纏っていた黒い光が全て手に集まり、手を覆う。
「僕たちから逃げれるとでも? 冗談もそこまでいくとこっけいだよ」
男はそう言って笑う。
「本当にそうですね、バカな女が一人いなくなっただけで何をそんなに」
ジールという少年がそう言った瞬間、僕の感情の制御が途切れた。
「お前らは、絶対に殺す!」
僕の右手を覆っていた黒い光が右腕まで覆い、黒い光が形を変える。それはまるで、悪魔のような右腕になった。
「死ね」
この一言だけであたりに黒い筒状の黒い光が放たれ、何か物に当たるとそこで止まる。
その筒状の黒い光はジールという少年の心臓部にも刺さっていた。
「なんですかこれは? 僕の体についているのに何もありませんね」
ジールはそう言って銃を僕に向ける。
「解除」
僕はなぜかこの能力の使い方を知っていた。そして、『解除』とだけいうと黒い筒状の光は消えて、僕の右腕を覆っていた黒い光も消える。
『なんだったんだ、今のは』
僕はさっきまで僕の右腕を覆っていた光のことについて考える。だが、一瞬で考えは中断することになる。
「ジークくんが死んでる」
男の声で僕はさっきまでジークという少年が立っていた場所を見る。
そこには、白い砂とさっきまでジールという少年が着ていた服が置いてあった。
そこ以外にも土の龍も白い砂になっていた。
「これはやばいな。これ以上、組織の戦闘員たちを失いたくないしな。・・・・・よし、このまま帰ろう」
そう言って、キラーズはいつのまにかできた空間の歪みに消えて行った。消えて行った。
「はは、ネイ、ハルト、生き残れたよぉ」
僕は泣きながら空を見上げた。
《ネイのお願い》
僕はネイの死体を見る。そしてあることに気づく。
「ネイの体が炎になって行ってる?」
僕は目を疑った。なぜなら、ネイの体が徐々に炎になっていくのだ。
「どういうことだ?」
僕は恐る恐るネイに触れる。すると、炎はフェルトの中に吸い込まれるように入っていき、ネイの体を全て炎にして僕の体に入って行った。
この時僕はネイの声を聞いた。
『フェルト、今君は目的を持ってると思うそれが終わってもちゃんと生きて。そして、あんまり悲しまないで。私はいつでもフェルトの中にいるんだから。だから、私の能力も使って。そして、新しい一歩を進んで、後ちゃんとご飯食べることそれから・・・ごめん、そろそろ時間みたい私の能力、今フェルトがやりたいことに使って。そして、ちゃんと生きてね。すぐにこっちに来たら絶対許さないんだから! じゃあ、そろそろお別れの時間。じゃあねフェルト」
もうネイの声は聞こえなくなった。
「ネイ、ごめん君たちを失って悲しまないわけないよ、今の僕の目的は絶対に君が喜ぶようなことじゃないけど安心して。そっちにはまだ行かないから。
来世というものがもし存在するとしたら。来世でも君に会いたいな」
僕は空を見上げる。やっぱり夜空は綺麗だ。
《6年後》
僕は14歳になった。
この6年、能力の成長とキラーズの情報を集めるために。ありとあらゆる裏組織を潰して行った。その中には、キラーズに何も関係のない組織もあったりした。けれど、無駄足と言われればそうではないと言える。なぜなら、能力を強くするためには実戦が一番だからだ。まあ、僕に見つけられる組織なんて裏組織でも低レベルにあるものばかりだ。だから、初めはそんなに期待してなかった。
でも、諦めはしない僕から何もかも奪って行ったキラーズを絶対に許しはしない。
でも、多少はわかったことがあった。
キラーズは裏だけではなく表にも通じていて6年前の事件もすでに隠蔽されていた。それだけではない、キラーズはこれまでの犯罪記録が一切なかった、これ自体は裏にある組織では珍しいことではないだが、関わりがあるという確信があった組織は確かにキラーズについて書かれていた紙があったが、どこで、何を取引したかその程度だった。
けれど僕は一つ裏の大きな組織の本拠地の情報を掴んだ。
次の僕の目的地はデスイーターに決まった。デスイーターは人身売買をメインに動いているらしい、キラーズに直接関係があるかはわからないが、それ以外の組織の情報を入手できるかもしれない。
僕はこの時知る由もなかったまさか組織潰しで仲間が増えるなんて。
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