第10話 かんけり

ボクが蹴り上げた空き缶どこに跳んだ?

誰に聞いても教えてくれない

知ってる訳が無い

人はただ目の前に広がる

一方通行の線路を

ただただ歩き続ける

その先に何があるかは分らない

ボクも同じように線路を歩く1人だ

大雨のせいでトンネルの中で

大きな岩が線路を塞いで立ちふさがる


なんとなく大きな岩を動かしてみた

気持ちのいい汗をかいた

スマホの電源を入れてみた

光のありがたみがわかった

じっと雨が止むまでまってみた

雲間から輝く星が少し見えた

そこからまた歩き出せる

空き缶探しの旅は

戻ることができないから

脱線することもできないから

前に進むしかない


空き缶を見つけたときが

ボクの終着点

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る