第11話 さくらさくら

道すがら見ゆるは美しき桜

青空に咲き誇る

それは刹那の美しさと哀しみ


何故そんなに哀しむのか

散るのが判ってる

ただ地上へと降下していくそれを

はたして命と言えるのか


憂鬱な感情を引き立たせ

いろんなことを考えさせる

たった一つの花びらなのに

その身は幾万の想いで形成される


残酷なまでの優しい陽差しに

咲き誇る桜の前

いつまで立ち尽くす


心の内側はいつも

哀しき花散らしの雨音

このガラスの心は

誰にも聞こえない叫びをあげ

ひそかに助けを求めてる

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