第5話 田貫家のペット<動物系>

 ドアをノックする音で目がさめた。

 こんな夜中にだれだろう。


「こんばんわ、こんばんわ。夜分にすみません、隣の田貫ですが。」

「どうなさいましたか?」

「主人が持病の心臓発作を起こしまして。電話の調子がおかしくて。お医者を呼んでいただけませんか?」

「それは大変だ。すぐ呼びますから、お宅で御主人に付いていてあげて下さい。」


 俺はすぐに119番に電話した。医者が来るまで10分位かかるらしい。

 隣に行ってみると、確かに御主人が倒れていた。しかし、他に誰もいない。

 そういえば奥さんと息子さんは旅行に行くと言っていた。

 おかしい、さっき来たのは誰だ?


 部屋の隅のケージの中で、ペットのタヌキがじっとこっちを見ていた。

まさか・・・・・

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