11『旅の過程にこそ価値がある』
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午後十二時二十分、サクヤは人民広場駅に到着した。
上海市中心地を東西にのびる南京路は、一八五一年に開発がはじまった上海市最大の繁華街である。二〇〇〇年の再開発により、南京東路駅と人民広場駅をむすんだおよそ一キロの南京東路を「南京路歩行街」と名付け、終日歩行者天国にした。
日本なら東京銀座にあたる南京東路沿いには、創業百年以上の老舗も多く、中国を代表する百貨店やファッション関係の専門店が集中した賑やかな観光ストリートになっている。
ゆえに観光客や老舗での買い物にこだわる人の街であるため、客引きや詐欺には気をつけねばならない。どんなに素朴で親切な人でも、日本語を話す見知らぬ中国人には絶対についていってはならないことを、ワールドワイドなトリッパーを目指すサクヤは知っていた。
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