第5話 正解
全てが嘘なんだと_信じたくて
全てが被害妄想なんだと思い込みたくて__
傷つく私も 自分勝手なんだってわがままなんだって…
それでも止まらない
泣いたって駄目ヨ
謝ったっテ無駄ヨ
怒ッタッテ逆効果ヨ
・
・
・
ぼろぼろになった私を見て 母は冷静さを取り戻したかのように見えたが
その表情は悲しげでもあり優越感で満たされている顔でもあった__
女性「…服着な 部屋から出るなよ_」
○○「…はい」
母の ”愛情” を隠すように私は服を着る
重い腕_長袖が皮膚に当たる度に激痛と涙が出てきては_
部屋という部屋らしくない 茶い色の勉強机とマットレスも敷いてないシングルベットがあるだけの場所で自分を責め続けた。
『どうして わたしは みんなみたいに できないの
どうして わたしは みんなみたいに がまんができないの
どうして わたしは みんなみたいに ___
わたしはへんなこ みんな いたいのを がまんしてるのに…』
・
・
・
ピンポーン__
インターホンが鳴る_
その瞬間部屋の隅に居る私は無条件で体がびくついた。
インターホンを聞きつけ 母は明るく答える
母「はいはーい!どちらさまぁ?」
聞いたこともない甲高い声_
「あ あの!○○ちゃんのおともだちで あやかっていいます!!!
きょう ○○ちゃんのおたんじょうびってきいて!」
微かに…いや はっきりと聞こえた_
親友のあやかちゃんの声だ!!!__
ドアから少しだけ見える小さな穴 そこから母は 確認をし声を聴き
ゆっくりとドアのチェーンを下ろし すっとドアを10センチほど開けて…
母 「あやかちゃん?? あらごめんねぇ まだ○○お家にもどってないのよ」
『??ワタシハココニイルヨ』
あやか「ええぇー…きょうおたんじょうびで えっとえっと…」
『ウン』
母 「ごめんなさいねあやかちゃんもしかしてお誕生日の招待状○○から貰って ないのかな??」
『シラナイ』
あやか「え!?しょうたいじょう!?」
母 「…そう ごめんなさい あやかちゃん ○○も帰ってきてないし そ のぉ…招待状って言うのはね ”なかよし” じゃないと貰えない物なの
わかってくれるわよね?」
『アヤカチャンハナカヨシダヨオカァーサン』
あやか「え…あ…えっと…」
母 「ごめんなさいねぇ~」
ガチャリ___
そう言って母はあやかちゃんの反応すら見ずに10センチほどの隙間を閉じた_
その音と共に 私の体が動き 小さく蹲った体で思い切りよく自分の部屋とも思わないその部屋のドアを勢いよく開け
恐怖なのか 自分自身に驚いているのか訳も分からず 叫んだ__
私「おかああああああさん!!あやかちゃんはおともだちだよ!!どうしてわたしがおうちにいないとか いうの?!
あやかちゃんはわたしのおちゃんじょうびにおめでとーって!たのしみにしててって!」
鼻水と涙と 自分の意志とは関係のない震え_
ガタガタと震えながら叫ぶ。
何処を見ているのか さっきまでの声色は何処へいったのか 母は言う_
「お前だけだ わがままで 我慢が出来なくて そんな目つきをする子供は
あやかちゃんだっけ?偉いじゃないか わがままも言わず大人しく帰ったよ」
え…
あぁ…
帰っちゃった…
そっか__わたしがおかしいのか
同じ色 @omisonano
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。同じ色の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
嘘日記/河狩優
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
君の声を聴きたい/白菫
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 3話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます