第4話   現実

今の私は無敵 ランドセルだってこれでもかってぐらい踊っている

こんなに帰り道が楽しいだなんて知らない。

寄り道もしないし ピノキオ にも行かない ただまっすぐ

猫のちょんより早くあの重いドアを開けて大きな声で叫ぶ


○○「ただいまー!!」


女性「…あ?あぁ ちょっと外出てな…」

○○「?」

男性「俺に言ってんの?」

女性「違うわよ 娘が帰ってきたの」


寒気がした___というより 怖い と思った 色々と頭の整理がつかない状態で

ただ黙って母の言われた通りあの重いドアをまた開けて閉まったドアを背にずるずると玄関でただ蹲った__それから数時間後知らない男が出て行った。

その男は私を見るや にんまりと微笑み「おかえり」と言った__


全てがわからない ここはどこなんだろう わからなくなり そのまま恐る恐るドアを開け母が視界に入り母はタバコに火をつけ 一言


女性「ふー…支度しな 引っ越すよ」

その瞬間私は言いたいことが聞きたいことがめちゃくちゃになってどうすることもできなくてただ


○○「…わ わたしのたんじょうび…きょう あやかちゃんがきてくれるの」

女性「…あんた誕生日だったっけ あーいいから支度して 茨木行くよ って言っ   ても分からないか あんたのおねーちゃんいっから」

○○「え…おねーちゃん?!」


私は一人っ子じゃないの?!おねーちゃん?いやその前に誕生日…あれまってあの男は…

実際大人でも混乱する状況 当時小学生3年生 がどうにもできるわけもなく

説明も弁解も面倒な母は ただ「お前には!姉がいて! いいからもー!支度しな!」そう言って私をガラス製の重い灰皿で殴りつけた____













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