第3話  ランドセル

ピピピッピピピッピピピッ


女性「起きなさい」

____「ん・・・?あれ おかーさん?」

女性「いつも遅刻してんのか さっさと学校行きな」

私 「・・・はい!」


心臓が飛び出るってこの事かってぐらい 私はびっくりしていた

母は旅館の中居でいつも家には居ないし 夜も遅いし そのまま職場に泊まることがあのでほとんど朝誰かに起こされるというのは されたことがなかったからだ。


急いで学校の支度をする

なんだろう・・・変な感じだ____


女性「〇〇!」

私 「ん?」

女性「____今日 まっすぐ帰ってきなさい」

私 「?・・・行ってきます!!」


子供が単純なのか ただ私が単純だったのか いつもと違う違和感を私はたった一言だけで 有頂天 しつこいようだけど たった一言


”行ってきます”


それだけで そう言えただけで 嬉しくて嬉しくて

毎日毎日同じことの繰り返しで 毎日毎日同じようにランドセルは強く握りしめるだけ それが今日は

無邪気にランドセルは踊っていた

            ・ 

            ・

            ・

女の子A「クスクス まぁた○○ちゃんちこくだぁー」

女の子B「ふふ きのうとおんなじふく」

            ・

            ・

いつも同じひそひそ話し___

私も同じで ただ黙って席に着く。

でも____今日は 何だかいつもと違う ひそひそ話に意味なく落ち込んだりはしない だって今日は____


『わたしのたんじょうび』


帰りのチャイムが鳴り終わり 親友のあやかちゃんから


あやか「きょう○○ちゃんのいえ いくね!たのしみにまっててね!」

私  「うん!!まってるね! きょうはね おかーさんいるの ふふ」

あやか「え! でも○○ちゃんのおかーさんとおはなししたことない・・・」

私  「だいじょうぶ あのね あのね まってるね」


気持ちが先走ってしまい そのまま 私は今までにないぐらい

まっすぐ まっすぐ 全力で


”家”に帰った____











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