第46話 亀裂
ピ~~ンと張りつめた怒気は大気を冷やし、辺り一帯に季節外れの大吹雪を巻き起こした。
急激な気温の低下は生ける物全てを凍てつかせ、命を奪っていく。
次々と動物たちが倒れていく光景に耐えかねた
そして――耳元で
「これ以上の睨み合いは……惨状が広がるばかりよ……」
「しかし
「そうね……だから、解決方法は一つだけ。そうでしょ……
「……君は……なにを……?」
そして――。
その場の緊張をあざ笑うようにニッコリと微笑んだ。
「…………」
それほど優しく慈愛に満ちた
ただ、その笑みを見た
「負けを認めるにね! あなた達も……私に従うのね! ならば許してあげようじゃないの」
それを見ていた、
次の瞬間――。
と、同時に――。
「ガハッ~~! グラァララ~~~~!」
全てを引き裂く落雷のような断末魔が天空に
「何を~~? 何をする! 仁~~~~~!」
それは、
「どうして? なぜ……そんな事を~~!」
その壮絶な光景に我が目を疑い、後の言葉を失った。
とうとう
ドスン~~~! ゴロゴロ~~~~!
食いちぎられた
ゴゴッゴッ~~~~~!
その時、大地を切り裂くような
大地は、まるで嵐の海のように――うねっている。
やがて、“
ブッシャ~~! シュッシュッ~!
亀裂は地獄の入り口のように広がり続け、あっちこっちに数百メートルにも及ぶ火柱が吹き出してきた。
「あっ~~~~!
普段から、
彼の声が聞こえたのか、聞こえなかったのか――。
一瞬、戸惑いの表情を残して
策略を
「
「エッ!
今まさに、胴から首を、食いちぎりそうになっていた。
辺り一帯の山々全てを真っ赤に染める血しぶきが天高く噴き出していた。
ドスン~~! ゴロゴロ~~~~~~!
「な……! 何故……?」
眼前に起きた事を全く理解できず、立ち
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