ep.2 問い詰めてみた

 まゆらに聞いた。

 聞きたいことはたくさんあった。


 問.1 僕のプライベートは丸見えですか?

「う、うん……。でもでもでも、一人でしているところとか、おトイレとかは、みてないからね!」


 問.2 僕の心の声はダダ漏れですか?

「聞こえないよ。本当だよ。分かってたら告白なんかしないよ!」


 問3. 他にも五次元人は来ているのか?

「友達にそれとなく聞いたけど、私だけみたい」


 問4. 最後の質問です。……。

「どうしたの?」

「なんで、俺なんかのことを好きになったの?」

「気がついたら、目で追ってた。ていうか、沖田君が攻略しているゲームの女の子がみんな私に似てたから、それで気になって。いつの間にか好きになってた」

「五次元の姿の君がみたい」

「無理だよ。三次元人は、どんなに頑張ってもそれ以上の空間認識は出来ないの。だから、今目の前の私が三次元における本当の私だよ」


「みんなに君を紹介したいんだ。駄目かな」

「いいけれど、みんな私が見えないんじゃ」

「こっちに本当に来るって方法は?」

「ごめんね。画面の向こう側に行くことは出来ないの。でも、メガネをかけたときだけはお互い会えるんだよ。触ることだって出来るし!」

 と、手首を掴んで、まゆらがおっぱいにあててきた。

 柔らかい。温かい。

 ゆっくりまさぐると、何か硬いものが触れた。

「ひゃんっ」

 抵抗してこない。

 俺はこのまま、エロゲの主人公のようにまゆらの唇を奪った。

「う、んちゅ、ぴちゃ……あふっ」

 まゆらも夢中で舌を絡ませてくる。

 俺達はそのまま、結ばれた。


 破血と精液の後を拭いながら、まゆらが涙を浮かべていった。

「嬉しいよ。……ゲームの中の君と繋がれて」

「俺だって同じ気持ちだよ。君の熱い膣内なかに入ったときさ、思ったんだ。今まで理想だった『嫁』と本当に恋人になれたんだって」

「そのメガネに感謝だね」

「ああ」

 正直、まだ心が追いついていない。性欲だけで突っ走ったところが大きい。だけど、少しづつ分かり合えたらいいと思う。

 ゲームみたいないいことばっかりじゃない。喧嘩だってするだろうし、悲しいことだってこの先いっぱいあると思う。

 まだそんなこと、ガキの俺には分からないけれどただ目の前の彼女だけは泣かせまいと思った。


 僕達はもう一度、お互いの味がする唇でキスをした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る