第3話
(負けたのは一哉の実力なんだよ…か…
言い訳とかが大嫌いな美月だから
言いたいことはわかるけど…
なんであんな寂しげな言い方なんだよ…)
そんなことを考えながら歩いていると
突然後ろから『西野!』と声をかけられた
俺『え?』
振り返ってみるとそこには…
引退した井上祐先輩がいた
俺『井上先輩…なんでここに?』
先輩と俺は近くの公園まで移動した
井上『お前があの試合のことで
美月にきつく言われたって聞いてな』
俺『誰から聞いたんですか?』
井上『まあ…細かいことはいいじゃん
で、何?美月になんて言われたの』
先輩は笑いながら聞いてきた
俺『まあ…いつも通りですよ
言い訳が嫌いなあいつらしい言葉です』
井上『相変わらず、美月はお前に
手厳しいんだな』
井上先輩は笑っていたが
俺は少し引っ掛かった
俺『…え?』
井上『あ、いや…なんでもない…
でも、あいつがきつく言うのは
負けを認めて、成長してほしいからなんだよ』
俺『そうなんですかね…
そうとは思えないんですが』
そういいながら苦笑する俺
井上『まあ、お前は今ではエースなんだからさ
頑張ってよ。俺たち3年のためにもさ!』
そう言いながら肩を叩かれた
俺『痛っ!わかってますよ…
来年は絶対もっと上までいきます。
暇だったら…みに来てください』
井上『おう、暇だったら部活にも顔出すよ』
そう言って先輩は帰っていった
そのあとに俺も続いて家へと帰った
ー七瀬目線1ー
私と美月は一哉とわかれて帰り道を歩いていた
私はさっきの美月の言葉が引っ掛かっていた
私『ねえ…美月?』
美月『ん?どうしたの七瀬』
私『一哉のことだけど…』
そこまでいって美月が遮るように
美月『一哉には強くなってほしいから。
本当のことを言っただけだよ』
私『そっか…』(本当に…それだけなのかな…)
美月『七瀬はさ……』
私『うん?』
美月『…一哉が本気で練習してるように見える?』
私『え…?本気だから…強いんでしょ…?
まあ、私はマネージャーだしやったことないからわからないけど…本気でやってるように見えるよ
美月『そっか…やっぱそう見えるんだな…』
私『え…?』
(何で今そんなことを聞くの…?)
美月『じゃあ、ここで…』
私『…また…明日ね…』
美月『うん、ばいばい』
美月はそう言って帰っていった
私はその美月の寂しげな背中を
見えなくなるまでみていた…
4話につづく
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