第1話 七神親衛隊〜前編〜

 2019年、5月。次第に暖かくなる季節。

 ある昼休み、翔陽が教室で本を読んでいると、


「おい、早くしろ!」


 そのような声が聞こえてきた。と同時に、足音も聞こえてくる。一人、二人ばかりではない。少なくとも十人以上だ。


――何だ、一体?


 茶髪の少年、翔陽は疑問に思い、廊下に顔だけ出して覗き込む。すると、大勢の男子生徒達が、一人の男を先頭に教室を駆け抜けていった。

 この光景に興味を持った翔陽は、後ろからついていくことにした。

 行き着いた所は、なんと校長室。一人の少年が扉をノックし、入っていく。後ろに控えていた少年達も、入っていった。

 翔陽がついていった理由。それは、彼らに見覚えがあったからだ。


 彼らは七神親衛隊。通称七神ガーディアンズで、略称はNGG。

 元は同級生の弦葉麗奈の取り巻きだったが、ある出来事を機に取り巻きを止め、新たな集団としてNGGを結成。

 一年間の活躍がなんと学校に認められ、今では小さな問題を解決する、学校公認の何でも屋となってしまったのだ。


「よし、なら早速向かうぞ!」


「押忍!」


 校長室から出てきたNGGは、直ぐ様現場に向かっていく。

 翔陽はますます興味が湧いてきて、解決するまで様子を見ることにした。

 ちなみに翔陽の後ろに、いつの間にか大鎌使いがいたことなど、翔陽は知る由もなかったのだ。

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