第6話

私達は…成す統べなくおいだされてしまった。

優翔先輩のあんな顔を始めてみた私は…放心状態だった。


美波『優翔…やっぱり玲香のことが…』

蘭『…そーなんですかね…あんなに…』

栞里『私…悔しい…』

栞里先輩の一言で…私の涙腺は崩壊した。

未來『くっ…うっ………うっ…』

私は…涙は流れても…私が泣いちゃいけないと思い…我慢した。

美波『未來…』

未來『なんで…努力をしてる…うっ…優翔先輩が…私が怪我をすればよかったのに…なんで…うっ…』

栞里『私が…あそこで止めていれば…』

蘭『見てるしかできなかった…』

私たちが自分をせめて泣いていると成瀬先生がやって来た。

成瀬『お前ら…泣いてる暇なんかないだろ!』

不意に先生はそう怒鳴った。

しかし…栞里先輩はその言葉にキレた。

栞里『優翔の気持ちが先生にわかるんですか!?まともに練習見にも来ないで…あーいうときだけ顧問面するのやめてください!』

美波『栞里!ちょっと…』

美波先輩が栞里先輩を押さえる。

成瀬『あぁ。俺は練習は見に行けない。それは謝る…すまん。

でも、西野が俺のために泣いてくれと言ってお前らは泣いてるのか?違うだろ!!』

未來『先生…』

成瀬『お前らが…やるべきなのはあいつのために、

あいつが西村との約束を果たせるようにインターハイにお前らがいくことじゃないのか!!』

私達は…ハッとした。

美波『栞里、道場に戻ろう…』

栞里『なんで…優翔が…』

栞里先輩は完全に放心状態になっていた。

蘭『先輩…行きましょう…。未來行くよ』

未來『…はい』

私達は栞里先輩をつれて…病院を去った。


しかし、その日からの練習は…初心者から見ても酷い有り様だった。

誰も的に当てれない日がつづいたり、欠席者が増えたり…。

最悪な日は私しか道場に来なかった日もあった。


私は…一人でも努力を続けると決めていた。


未來『(優翔先輩の夢は私が叶える…玲香さん……私にちからを貸してください…)』

私は…ひたすらに練習を続けた。


その日の一人で練習をしたあと…私は病院へと向かった。



私は優翔先輩の病室をノックして入っていった。

優翔『…未來……』

未來『先輩……』

優翔『お前…なんだよ…その顔とか指の傷……』

未來『私は…一人でも練習をします。先輩がダメでも…

努力は一人でもできるから…』

優翔『…』

未來『私…優翔先輩が好きなんです』

優翔『!?』

未來『好きで…必死に練習をしてきました』

優翔先輩は…私の突然の告白にビックリして固まってた。

優翔『ありがとう…でも…』

未來『わかってます。先輩は玲香先輩が好きなんですよね?』

優翔『…ごめん…』

未來『大丈夫です…蘭先輩から聞いたときからわかってました』

優翔『…じゃあ、なんでここに…』

未來『それでも…優翔先輩は私の憧れだからです。

優翔先輩が怪我で動けないとかもうできないとか…

はっきり言って私にはそんなのわかりませんし、関係ない。

先輩の言う通りなんです』

優翔『…』

未來『私が…好きになって憧れた先輩は…怪我なんかで挫けたりしない…いつも明るく助けてくれてました』

優翔『…!』

未來『玲香さんみたいに私は強くない…でも、先輩が…なにもしようとしないなら私はインターハイに一人で行きます。

私は…玲香さんの代わりにはなれないけど、

先輩が嘘にした約束を私は本物にします』

優翔『未來…』

私がすべていい終えて先輩の顔を見ると…先輩は涙を流していた。

未來『偉そうなこと言ってすいません…でも、今の先輩なんて…嫌いです』

私は…そう言って病院をあとにした。



私は振られた。

しかし、誰かがいっていた。

女は振られた数だけ強くなる。


だったら…この悔しさをバネにひたすらに立ち向かうだけだ。

私は心でそう決めて、道場にもう一度戻って練習を始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る