第3話
私は集合する前にお風呂に入って支度をしようと思い、
お風呂場へ向かっていた。
お風呂に浸かりながら私は…玲香さんという方のことを考えていた。
未來『(玲香さん…ってどんな人なんだろう…多分弓道部の先輩なんだろうけど、なんで先輩たちは話してくれないんだろう…
気になる………今日…チャンスがあったら聞いてみようかな…)』
そう思ってはみるが…蘭先輩が時期が来たら話してくれるとも
いっていた。
未來『(玲香さん…か…優翔先輩の彼女…?なのかな…)』
私は…そう思ったとたん胸の中にある恋心…がざわついた。
午後3時40分
私は少し早いが学校の正門のところに来ていた。
5分後…優翔先輩が予想通り早めにやって来た。
優翔『お、おぉ…早いね』
未來『なんか…楽しみで早く来ちゃいました!』
優翔『そっか(笑)まあ、桜が綺麗にみれるから楽しみにしてね』
未來『桜か~私…桜って時の番人だと思うんですよね』
優翔『えっ!?』
未來『え?…やっぱり変ですかね…』
優翔先輩の驚いたかおに…私は首を傾げた。
優翔『いや…なんでもない。なんでそう思うの?』
未來『なんだろ…私の名前のせいかもしれません』
優翔『未來?』
未來『桜って必ず、一回その場所で見たら同じ場所で必ず咲いててくれるじゃないですか?その未来の世界を予想するのが楽しくて!…あっでも、これは私が桜を好きな理由になっちゃうのか…んー…』
私が混乱をしていると優翔先輩がクスッと笑った。
優翔『やっぱ、未來って変なとこ抜けてるよね(笑)』
未來『え?そうですか??』
優翔『でも、未來のいいとこだと思うよ』
未來『なんか…嬉しいです!』
優翔『まあ、その未來が好きな桜がライトアップされて本当にきれいだからさ』
未來『はい!』
私達はそこから栞里先輩達と合流し、開催場所へ向かった。
未來『わー!!!!!やばいです!!綺麗!!』
美波『未來、はしゃぎすぎ(笑)』
未來『え!?でもすごくないですか!?』
優翔『始めてみたり、桜が好きっていうのでテンションが上がってるんだね(笑)』
蘭『こんなもんで喜んじゃダメだよー?夜はもっと美しい世界だから!ね!栞里先輩!』
栞里『蘭も本当にこの桜が好きだよね~』
蘭『はい!未來のテンションが上がるのもすごいわかります!』
未來『ですよね!蘭先輩!!』
優翔『ほらほら、行くよ(笑)』
先輩達は笑いながら、私と蘭先輩を促した。
美波『でも、何回見てもすごいきれいだよね…』
蘭『本当ですね…この桜見てると、栞里先輩のきつい練習の疲れも癒されます…』
栞里『ん?蘭、なんかいった?』
蘭『え!?いや!な、なんでもないです!…あ、ね、ねぇ未來!
たこ焼き食べに行こうよ!』
未來『食べたいです!行きましょう!』
優翔『じゃあ、ライトアップまでそれぞれ自由行動に一回しよっか(笑)…19時半ここ、集合でいいかな?』
皆『はーい!』
蘭『未來!いこ!』
私は蘭先輩につれられたこ焼屋のところまで走ってきた。
蘭『おじさんー!たこ焼やき2つ!』
おじさん『はいよ!二人ともかわいいからおまけしちゃうよー!』
蘭『わ!ありがとうございます!……あ!!!おいひい!!!』
蘭先輩がいつの間にかおじさんと仲良くなって
おまけまでもらって…口のなかに頬張っていた。
未來『蘭先輩って食欲旺盛なんですね(笑)』
蘭『ほう?わたひはふつうだとおもふんだけどなぁ…』
未來『そう?私は普通だと思うんだけどなぁ…であってますか?(笑)』
蘭『あっへる!!みらいもたへなよ!』
未來『はい(笑)……熱っ!!………あっ!おいひい!』
蘭『まさかの猫舌!?(笑)…でしょ!?』
私の様子を見て蘭先輩が面白そうにわらっている。
蘭『…未來?ちょっとあっちいかない?』
急に蘭先輩が声のトーンを下げて言った。
未來『え?いいですけど…なんですか?』
蘭『…玲香さんのこと』
未來『!!!』
蘭『栞里先輩は時期が来たらっていってたけど…それじゃあ
もう遅くなる可能性があるから…教えてあげる』
未來『はい…(遅くなる…?)』
私は蘭先輩に連れられて、お祭り会場から少し離れた場所へとやって来た。
蘭『約束してくれる?…真実を知っても…まだなにもしないって』
未來『はい…教えてください』
蘭先輩が…頷いて玲香さんという人のことを教えてくれた。
蘭『玲香先輩は…簡単に言えば優翔先輩の幼なじみの人で
栞里先輩の前の副部長だよ。玲香先輩も3段で私が入ったときも
優しくいろんなことを教えてくれた。
栞里先輩も美波先輩も玲香先輩と三人でインターハイ予選を突破できる…そう思ってた。だって皆強いんだもん。当たり前だよね?』
未來『はい…』
蘭『でも…インターハイ予選当日事件が起きた…。
玲香さんは少し自主練してからいくからと言って、
私たちとは別々で会場に集まる予定だったの。でも…玲香さんは来なかった』
未來『え…?』
蘭『…理由は玲香さんは体が弱く、喘息を持っていたの。
でも、努力して三段の腕前になった。だから余計にすごい人なの。…でも玲香さんが会場に向かう途中で最悪の事態が起きた』
未來『…』
蘭『玲香さんは…ギリギリまで練習してしまったせいで
走らなければ間に合わないという状態になってしまって…
朝からの自主練という無理に…走るとい無理が重なって…
会場前の横断歩道で喘息が発祥し、過呼吸で倒れてしまった』
未來『えっ…』
蘭『もちろん、横断歩道だから…青信号で車はとまってたよ…
でも、優翔先輩が助けに走り出そうとした瞬間…曲がり角から
急スピードで走ってきた車がいて…顧問の先生が優翔先輩を止めたの。……玲香さんは苦しそうにしながらも逃げようとした。
でも…遅かった…私達の目の前で…玲香さんは牽かれた。』
未來『……そんな…』
蘭『すぐに病院へ運ばれたよ。でも…過呼吸もあって…即死状態だった…私達はその後の試合で過去最悪のみっともない試合をした』
未來『だから、優翔先輩は…』
蘭『ちがう。それが理由で優翔先輩は頑張ってるんじゃない』
未來『え…?』
蘭『先輩が頑張るのは…たしかに責任を感じてるのもある。
先輩は…玲香さんの事故以来…イップスという運動障害を持ってしまったの…』
未來『い、イップス…?』
蘭『精神的な理由で思い通りのプレーができなくなる…
そりゃ、私たちからしたら十分凄い結果は出てるよ?
でも…あれじゃインターハイは勝てない』
未來『でも…イップスを治せば…』
蘭『玲香さんは還ってこないんだよ?…はっきり言って
イップスを持った状態のプレーは危険だと思う』
未來『…』
蘭『弓道は簡単に人を死なせるの。怪我をさせるの…しかも、致命傷レベルの。イップスは思い通りのプレーができないんだよ?
少しでもダメになったら…何が起こるかわからない』
蘭『玲香さんと優翔先輩はずっとインターハイに2人でいくっていう約束をしてた。なのに…いなくなってしまった。
さらに…あの人は…弓道をやってはいけないらしいの』
未來『!!』
蘭『…腕にしびれが出てるらしい…脛椎症という本来なら
高齢者にみられる怪我…病気を持っている。
今無理しすぎれば…確実に大会は出れなくなる』
未來『そ、そんな…早く止めないと!!』
蘭『だから言ったでしょ?まだなにもしちゃいけない。
優翔先輩は玲香さんの責任で自分を追い込んでる。
私たちに救うことはできないの。これは先輩達と優翔さんが
決めたこと…優翔さんが顧問によって無理だと判断されるまで…私達は止めることができない』
未來『そんな…』
蘭『…悔しいけどこれが現実なの。…だから、優翔先輩のまえで
玲香さんの話しはしちゃいけない。イップスが……悪化する』
優翔先輩がもう弓道ができない病気をおって
さらに、イップスという運動障害までおっていることを
知ってしまった私…。
私は…どうしたらいいんだろう…
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