絵画の中の偶像

@oshikura_manju

第1話

 僕はそれを知っていた。だって、かつての自分だから。

温かい肌や、ふわふわとした毛並みが、本当は「何なのか」を知っている。

どういうシステムで、どういった手法で、誰が、何のためにかはわからない。

ただ、1つだけわかることは、自分がどうすべきかということ。


今、目の前にいるかつての僕。

戸惑いを湛えた瞳がこちらを見つめる。


なんの呪いなのか、罪なのか。


けれど、人でないことなんて、さして大きな欠点でもないだろう。

この世界には紛れも無く「僕」が居て、こうして生きているのだから。


「僕の世界を助けて欲しいんだ。」

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