五節目

人に会いたくなくて

ここにきたはずなのに

会いたくないと思うほど

人も

物も

面倒ごとも

ここに集まるもんで



私をゴミでも見るような目で見ていく貴族が一番嫌いだったけど


身近ゆえに暴力をふってくる街の人も


話を聞いてくれない通りすがりの人も


全員私は嫌いだったんだ



誰も助けてくれない

その事実が

嫌だなってずっと思ってたから


一瞬限りの優しさで

差し伸べられた手に

その時なぜか私は

縋ってしまったんだ


後になってわかることってたくさんあるもんで

その時に私が縋っていなければ

多分貴族を嫌うこともなかったのだろう

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