母との戦い

以前恋人はうつ病に理解を持ってもらえた、という話を書きました。

では家族はどうなのか?


私は三人兄弟の長女で、母子家庭で育ちました。

母も視覚障害があり、按摩の仕事をしています。


弟妹はまだ未成年。

母は精神的な病気の関しての理解はあるように見えてありませんでした。

母との戦いが、うつ病になってから半年ぐらい続きました。


よく言いますよね、

「うつ病の人に頑張れ!は言っちゃダメ!」


うちの母はそんなことも知らず、私に頑張れ!負けるな!戦え!

いや戦えたら仕事辞めてないし!

戦えるか!

と私はずーっと内心思っていました。


というのもうちの母、恥ずかしながらポエマー基質。

私が何か言うとポエムのような長文メールを送ってくるのが日々です…。


でも母が少し理解を示してくれるきっかけが、出来ました。

母からのメールで私が爆発してしまったのです。


母も祖父を亡くし、精神的に不安定な日々を送っていたことは重々承知していましたが、母からの私も頑張ってるんだからアンタも頑張りなさいよ!というメールに限界が来てしまいました。


母は按摩師ですので、勿論精神的な病を抱えたお客様も勿論いる。

もう我慢ならない!

言わなきゃならない!と思いました。


うつ病の人間に発破をかけるな!

頑張れないから悩んでるんだ!

頑張れるならちゃんと身だしなみも整えて仕事に行けてる!

行けないから悩んでる!


と伝えたものの、割とメールで大喧嘩になりました。


そこに現れた救世主が、母が盲学校へ行っていた頃の友人、Mさんでした。

私のことを三人目の娘だと思ってくれているような、優しくもいろんな知識があり、株などもやっていて私から見たらスーパーウーマンなMさん。


実はMさんの娘さんも数年前、うつ病にかかっていたそうです。

一度も娘さんとはお会いしたことはないのですが、とある保険会社の教育担当をしていて、銀行勤めの方と結婚した。

とまで聞いていたものの、その後どうなったのかは知らぬまま…。


その方にポロッと、母が理解を示してくれない。

苦しい。

実家に帰りたいと思えない。


そう漏らしたところ、母に叱咤したくれたようでした。

うつ病の人間に発破をかけることは死を早めさせるようなことなんだと、説明してくれたと。

母も勉強不足だったことを謝ってくれ、これからはうつ病について少し勉強するとのことでした。


やっと、そこまでわかってくれたか。

病名がついてから半年、一番の戦いだったかもしれません。

障がい者手帳や年金については勧めてくれるものの、病自体には理解がない母との戦いは本当に大変でした。

うつ病になってから一番の戦いは母の理解との戦いでした。

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