休職と言う名のドクターストップ
「どうしても休職しなきゃだめですか」
それは抗うつ薬を渡された際に医師に私が聞いた。
もともとは仕事が大好きで、部下たちもいて、楽しく仕事をしていた。
もうすぐ退職する意向も既に伝えている。
あと二週間で退職なのに、休職しなければ行けないのか。
医師は苦い顔をしただけだった。
私は抗うつ薬を服用し、いつも通りに眠りについた。
次の日は仕事だった、行けるなら行こう。
そう思って、眠りについた。
ただ私も医師もこの抗うつ薬には理解がなかった。
次の日の朝、辛うじて起きて出来たことは会社へ休むことの連絡だった。
その後丸一日、私は眠りについた。
まさに昏睡状態だった。
偶然泊まりに来ていた恋人が、私が死ぬのではないかと不安になり覚醒した23時過ぎまで家にいた。
それぐらい深い眠りに約一日ついてしまっていた。
こんな状態じゃ仕事は続けられない。
辛くもあったが、上司へ休職の連絡をした。
不思議と、誰も上司達は私の心配をしてくれることはない。
異動になった、慕っていた上司だけが心配してくれていた。
トントンと手続きが進み、休職からの退職となった。
とてもではないが、部下達に挨拶することはできなかった。
私は中間管理職だから、下の子達の不満を聞き入れ、上からの不満も聞き入れなければならない役職だったからだ。
当然慕ってくれる部下もいた、私が辞めるなら私も辞めるといっていた子もいた。
だから最後の挨拶というのは、誰にもろくに出来なかった。
なんであんなに楽しかった仕事が、苦になってしまったのか。
私は不思議だった。
医師に明確な理由を告げられず、またこの時点ではうつ病とま告げられていなかった。
そんな私は環境さえ変われば、と転職活動を始めた。
結果的に、転職活動を始めるまでにうつ病が進行し、それどころではなくなってしまった。
面接の約束をしても、家から出る気力がない。
それはおろか、履歴書や経歴書を書くことすらまともに出来ない。
もう私、昔みたいに動けないんだ。
そう実感したのは休職してから半月後だった。
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