66-5 生徒会の旅


 長旅……いや、まあ飛行機ならあっという間なんだろうけど……。


 新幹線に乗ること5時間……博多駅に到着……しかしここが目的地では無い。

 博多ラーメンを食べる事なくそのまま特急に乗って約2時間、今回の目的地、長崎市内に到着した。

 東京から7時間以上掛けてようやくホテルの前……ああ、なんか皆、既に疲れている……すんません……。


「えっと……とりあえず今日はホテルに入って休みましょうか?」


「ですねえ、えっと……そう言えば先生部屋割りはどうしましょう?」

 会長と先生が顔を見合わせる。部屋割り……なんか嫌な予感が……。


「部屋は3つ、ツイン一部屋にトリプル二部屋ね、まあ適当でいいんじゃない?」

 おい!? ジャッジ○ント!


「じゃ、じゃあぁ……じゃんけんでぇ?」

 おい麻紗美!


「こういう時はグーパーじゃない?」

 3部屋って言ってるだろ美智瑠……いや、そうじゃない。


「パーが勝ちになるですか?」

 パーはお前だセシリー。


「ちょっと、あの……俺が男だってわかってます?」


「「…………お~~~~」」

 アホかこいつら……。


「とりあえずお兄ちゃんと私は同じ部屋で問題無いですよね?」


「え?!」


「何でお兄ちゃんがびっくりするの?」


「いや、つい……」


「なんか……それは……問題だらけな気がするんだけど?」

 会長は怪訝な顔でそう言う……。


「何でですか会長! ワタシタチハキョウダイダカラ、ナニモモンダイアリマセン」


「何でカタコト?」


「栞ちゃん、ダウトぉ」


「だって他に方法が無いじゃない!」

 栞が剥きになる、俺の事となると絶対に譲らない栞……。


「うーーん、じゃ、じゃあ先生と裕君なら問題無い」


「あるわ!」

 問題だらけだろ? いや、一番問題になるだろ?


「──酷い裕君……」


「うーーん今からもう一部屋取れるかしら?」

 そう言って考え込む会長……。


「いや、普通に俺と美月と栞の3人でいいのでは?」


「それってぇかえってぇ危険なのでは?」

 麻沙美……。


「ダカラ、オレハ、ロリコンデハアリマセン」


「うーーん……まあ、それでいっか、危ないけど……」

 俺の右腕には美月が、左腕には栞が抱きついている。

 

「いや、あの知ってます? 俺達、今3人だけで暮らしてるの?」

 間違いが起きるならとっくの昔に起きてるっつーの。

 そもそも栞と間違いが起きない様に、美月に来てもらってるんだから……。


 という事で、部屋割りは、先生と会長、美智瑠と麻紗美とセシリー、そして俺と栞と美月となった。


 チェックインを済ませ、部屋に入る。


 部屋はツインの部屋にエキストラベットが置かれていた。


「じゃあ、俺がエキストラでいいかな」

 美月と栞を狭いベッドに寝かせるわけにはいかない。


「じゃあ美月お兄ちゃまの隣~~」

 俺がそう言うと、すかさず美月は荷物を放り出し、俺の隣のベッドにダイブする。


「ああああ、ずるい!」


「早い者勝ちですううううぅぅ」

 何でこの二人は俺の事となると、こう低レベルな争い、小学生の様な振る舞いをするんだ? 普段なら大人顔負けの行動や言動で他者を圧倒するのに……。

 まあ……でも、そこが可愛いんだけど……。


 俺の目の前で必死にじゃんけんを始める二人……。

 しかもお互いのフルパワーを使った読み合い……相手の癖や仕草から性格まで全てを計算したじゃんけん。

 奇跡の32回連続あいこの末、やはりこういう読み合いは一歩上手の美月が勝利した。


「うえ~~~~ん、おにいちゃあああああん」


「ハイハイいるからね」


「お兄ちゃま~~~~」


「ハイハイ自分のベットで寝なね」


 とりあえず疲れたと、俺はベットに寝転ぶと、それぞれがそれぞれのベットに寝ながら、栞は泣き叫び、美月は俺のベットに隣から侵入しようとしてくる。


 部屋割りでこれだ……この後一体どうなるんだこの旅行は……。




【あとがき】

お久しぶりの投稿ですm(__)mスンマセン

そして現在新作出してます。

よかったら読んでやってください。

『娘の様な義理の妹に恋なんてするわけが無い。』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054934589143

宜しくお願いいたします。(*'ω'*)ヨロ~~

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