13 とある栞の友人達
とある日、栞の友人3人が、食堂で栞の事を話していた。
超絶コミュ力を持つ栞と言えども、自分がいない時、女子達の噂の餌食となるのか?。
盗聴、あいや、天の力を使って聞いてみた。
「あーーーまた栞は長谷川君とお昼かー」
「栞とたまには一緒にご飯食べたいー」
「あの子話題豊富で、回りに気を使うし、人の悪口言わないし」
「いいこだよねええええ」
三人の声が重なる
「そういえばさー栞ってさー、どんな子でも絶対に良いところがあるって言うし、差別とかしないし、私ちょっと苦手な子がいても、栞となら安心して話せるんだよねー」
「そうそう、優しいだけじゃなくて、他の子の悪口とか言うと、違うって怒るんだよねー、でもただのいい子ちゃんじゃなくて、ちゃんとその子を理解して、それはこういう事だからって理由を付けて、私感心しちゃった」
「私も昔悩みがあって友達に相談したら、それをばらされて嫌な目に逢ったの、でも栞ってさー言ってほしくない事って、絶対言わないでしょ安心して相談しちゃうんだよねー」
「勉強もすっごい出来るからさー頼れるよねー、私中学の時、今度のテスト数学ヤバいって言ったら、栞が試験範囲の予想問題と模範解答くれてさー、これが凄いの分かりやすいしズバリ同じ問題が何個もあってさー」
「えーーーーいいなーー私も欲しかったー」
「でも毎回頼ってると、あなたの為にならないって言うんだよーでも、優しくちゃんとこうしたら良いよって教えてくれて、私、泣いちゃったよがんばるって」
「そうそう、怒る時もちゃんと優しさもあって、うちの親とは大違い」
「でも栞と話すの大変だよねー中々喋れない」
「だってクラスの女子殆どが喋るタイミング狙ってるんだもん」
「もうさー予約制にしてほしいって感じ?」
「あ、それいいかもーー私チケット買うーー」
三人同時に大爆笑する。
「普通に喋っても超面白いし、ファッションとかも詳しいし、栞が喋るのを黙って聞きたいくらい」
「でもさーそう言う所も気を使ってない?自分が喋りすぎないようにみたいな」
「そうそう、聞き上手なんだよねー、皆で喋っててもちゃんと聞いてくれて、あと元気がなかった子とか後でライン来たりしてるみたい」
「あーー私も来た、栞のライン」
「あー栞のラインヤバいよねー、今日はどうしたの大丈夫?ってさー私びっくりしちゃった、全然普通にして誰にも気付かれなかったのに、栞にだけ見抜かれてさー」
「本当に?、まじ神じゃん」
「でも栞ってさー彼氏居ないのかなー」
「あーーそれねー」
「絶対言わないよねー」
「モテるでしょーあの子」
「恋愛相談も上手いらしいよ、こうしたら良いとか的確で」
「経験豊富っぽいんだけど、彼氏どころか好きな人さえ隠すよねー」
「隠すっていうか、本当にいないのかも」
「あ、でも私中学の時に、何度か栞が違うクラス、チラチラ気にしてたの見た事ある」
「えーーー本当、やっぱしいるんじゃない?」
「でも栞って他のクラスにも友達一杯いるし、その子の事を気にしてあげてたのかも」
「そうかーでもいるかもしれないよねー」
「知りたいねー、私栞の好きな人が、私の好きな人だったら諦めて譲っちゃう、ていうかもう応援しちゃう」
「あーー私も好きな人が同じだったら協力しちゃうかも」
「私の彼氏が栞の好きな人だったら別れる」
「あんた彼氏できたことないじゃん」
「えーー仮によ仮に」
「あのさー私ちょっと思ったんだけど言っちゃっていいのかなー」
「え?何?栞の悪口なら聞かないよ」
「えーー言うわけ無いじゃん、聞いたことないし、そんな子がいたら大変だよ」
「あーーやばいよねー、みんなに無視されちゃう」
「で、その無視された子を栞が助けちゃうんでしょ?」
「ありそう、てか絶対そうなるねー」
「で、思ったって?」
「あ、そうそう、栞なんだけどさー、ひょっとして長谷川君の事好きなんじゃない?」
「えーーーそれって悪口?」
「違うよーー、でもありえなくない?」
「うーーーんでも兄妹でしょ?」
「一緒に登校して、一緒にお昼食べて、一緒に帰ってるから?」
「兄妹にしては、ちょっと仲良すぎるような気がするけど、まあギリギリあるかな?」
「でも栞が今まで自分から一緒に食べようとか、帰ろうとか言った事なくない?」
「人気があるから言わなくてもいるからでしょ」
「だから、それって差別しないって事じゃん、でもさ長谷川君は差別してるって事でしょ」
「お兄さんだからそれはしょうがないんじゃない?」
「でも栞ものすごく楽しそうだよね」
「あーーうんうんあんな笑顔なかなか見せないよねー、いつも回りに気を使ってるし」
「長谷川君の時だけ安心してるみたいな、目が兄じゃなく恋人を見る目なんだよね」
「うーーーーーーん」
三人そろって悩む
「あるのかなーーそんな事」
「例えば栞自身が自覚してないとかは?」
「あーー、あの子自分の事には疎そうだもんね」
「ねえねえ仮にそうだとしたらどうする」
「えーーーーそんなのきまってるじゃない」
「ねーーーーー」
三人揃って
「応援しちゃうううううう」
「タブーとか関係ないよー栞だよー叶えてあげたいよねー」
「そうそう、栞だってちゃんと分かってるでしょう?あの子頭いいもんね」
「じゃあどうするどうする」
「本当かどうかわからないし、憶測でみんなに言ったら悪口と変わんないじゃん」
「じゃあ、とりあえず私達でやることは一つだね」
三人揃って
「あたたかく見守ろう!!」
超絶コミュ力を持つ栞、もう魔法とか催眠術とかそんなレベルである。
その能力に本人は気付いていない、というか無意識なのが怖いんだが…。
こうして特に広めた訳ではないが、各女子グループで同様な事が起き、二人の邪魔をしないという空気ができあがった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます