第30話 Mind Blast

 ステフの脚力は瞬時に蹴り飛ばした隔壁に追いつき、その裏に隠れるように突入する。瞳孔を横長にして視界を大きく広げると、敵の配置を確認し気配や音で感じていたものとの誤差を補正する。

 相手はまだステフの速度に反応しきれていない。だがステフは視界に捉えたものを見て、内心で舌打ちした。

 終端装置T・デバイスと思われる者達だけでなく、対人ドローンが待機状態で待ち構えている。しかも敷地内で警備に使われていたものではなく、更に重武装の軌道塔警備用――恐らく納入間際の商品を引っ張り出してきたものだ。

 小型車サイズの大きさに、ガウスマシンガンや誘導ミサイルと言った重武装を詰め込み、テロ行為への抑止力として認知されるまでになった機種だ。マクファーソンカンパニー製の兵器は世界中で高い評価を受けているが、その中でも軌道塔警備用ドローンは傑作と名高い。


 それがざっと十二機。

 ブラストピラーさえ使えれば一振りで消し飛ばせるが、気配が読めなくなった善市郎を巻き込む危険がある。

 手持ちの銃器はガウスガンのみ。

 単分子ナイフなら通じるが、接近するにはガウスマシンガンや連射型グレネードランチャー、誘導ミサイルを掻い潜らなければいけない。

 状況としては最悪だが、大事な父の温もりを得たばかりのステフは、欠片も負ける気がしなかった。


 張り付くように身を隠していた隔壁を再度蹴って、一番手近な動力装甲服パワードスーツに接近する。まさか切り取られた隔壁が時速数百キロで飛んできた挙げ句、その裏にステフが隠れていたなど思いも寄らなかったのだろう。脇腹に大型の単分子ナイフが突き刺さるまで、相手はステフの存在に気づきもしなかった。

 幅広の刃は的確に脊椎や重要な血管を切断し、一撃で動力装甲服パワードスーツを一体無力化する。


 だがバイタルサインの変化は即座に周囲へと伝達されてしまう。工作員達が一斉にステフへと振り向く中、一番反応が速かったのは対人ドローンだ。

 五機の対人ドローンが待機状態を解き、車輪のついた脚部を大きく広げて射撃状態へと移行する。それを目の端に捉えたステフは、単分子ナイフを引き抜きながら動力装甲服パワードスーツの背後に回り込むとその巨体を盾にした。

 ガウスマシンガンから放たれる弾丸は、ステフが隠れた動力装甲服パワードスーツを粉砕せんばかりに降り注ぎ、そのうち数発は運悪く装甲を貫通した。

 しかし威力が落ちていた弾丸はスキンスーツを引き裂いただけで、人造人間ステフの肌に火傷の筋を残して弾かれた。


 いくら動力装甲服パワードスーツを盾にしていても、このまま十秒も撃たれていたら諸共にバラバラにされる。そうでなくても背面の小型ロケットに引火すれば、どこへ吹き飛ぶか分からない。

 越しに伝わる感触から予想したステフは、周囲に視線を走らせる。都合良く、ガウスライフルを向けようとしていた動力装甲服パワードスーツの一体が目に入った。

 大型の単分子ナイフを逆手に構えると、肘と手首の返しだけで水平に投擲。

 亜音速で襲いかかったナイフが顔の装甲を貫くが早いか、ステフは盾にしていた動力装甲服パワードスーツを抱えて走り出す。今の盾・・・がまだ原形をとどめているうちに、新しい盾を手に入れなければならない。


 終端装置T・デバイスにおいて、バイタルサインが消えた仲間はその時点で単なる遮蔽物の一つと見なされる。

 頭に単分子ナイフが突き刺さった動力装甲服パワードスーツは、ステフの目の前でかつての仲間からの対戦車グレネードを受けて、腰の辺りから二つにちぎれた。


 良い反応だけど、あたしを狙わないのは失敗――ステフは感心しながらも、投擲用の単分子ナイフを抜きざまに、反応が速かった工作員に投げつける。長さ十五センチのナイフは、頸動脈と頸椎を切り裂きながら喉を貫く。

 これで残りはざっと四十六人。

 ガウスライフルの一丁でも奪っておきたいが、当てにしていた物はたった今グレネードで吹き飛んでいる。


 悩みつつもステフの体は、ガウスガンを抜きながら半壊した動力装甲服パワードスーツを蹴り飛ばす。そのままガウスガンを二連射し、一発目で小型ロケットの燃料タンクに傷を入れると、二発目を全く同じ場所へと命中させる。燃料に引火した動力装甲服パワードスーツは、爆発の勢いで吹き飛びながら対人ドローンの一機を跳ね飛ばす。

 それを横目に見ながらステフは更に加速。対人ドローンの弾幕を振り切りながら、四人固まっていた工作員の直中ただなかに飛び込む。

 予想通り、対人ドローンは工作員を味方と認識し、一瞬ガウスマシンガンの攻撃が止まる。

 だが噂が確かなら、軌道塔警備用の対人ドローンが敵味方識別装置によって攻撃を止めるのは五秒のみ。それ以上は軌道塔の保全が優先され、味方ごと敵を射殺すると言われている。非武装の民間人相手ならもう少し長いとの噂だが、それを確かめる余裕はない。

 ガウスガンに内蔵した単分子ナイフを展開すると、一振りで四人の工作員は利き腕の手首を切断される。一人の持っていたガウスライフルを奪いながら、ステフは単分子ナイフをもう一振り。

 工作員はいずれも重サイボーグだったが、首を大きく切り裂かれてはどうしようもない。反射的に鮮血溢れる首の傷を抑えてくずおれる男達の中から、ステフは勢い良く跳びだした。


 即座に対人ドローンが射撃を再開するが、一機二機と射撃状態になっていたミサイルを撃ち抜かれて爆発四散する。

 寧の援護だ。

 縦横に戦場を駆けるステフの援護は、慣れているトッドでもなければ難しい。蛍門工業公司時代には的確な援護できる人材がおらず、単独での突入を行う事も多かった。

 ステフに全員の目が集中したのを見計らい、最小の弾数で敵戦力を無力化していく。寧に反応した対人ドローンは連射式グレネードランチャーを向けるが、初弾が発射されるより早く銃口を狙い撃たれ、周囲の工作員も巻き込んで誘爆した。


「やる、ね」


 極めて厄介な敵だが、一時的にでも味方についているのなら心強い。

 気配の動き、肌に伝わる空気の揺れ、視覚や聴覚以外の情報も駆使して周囲を把握しながら、ステフは寧と連携を取って一人また一人と終端装置T・デバイスの工作員を減らしていく。


 予知がなせる技なのか単純に神経強化の賜物たまものか、まるでステフの癖を知っているように寧の援護は的確だった。

 言葉も合図もいらない。

 時間にすれば三分かそこらだが、これほどしっくりと馴染む感覚はトッド以外では初めてだ。


 また二人と一機が、二人の人造人間ステフと寧の手で排除された。

 動力装甲服パワードスーツや対人ドローンを含む、総勢で五十を超える重武装の敵相手に順調な殲滅速度だ。

 ミサイルや自走地雷は射出直後に破壊し、満身創痍のトッドが危険にさらされる事もない。


 これなら追加の戦力が投入される前に、片がつけられるだろう。逃げ出す余裕を作らせるつもりもない。

 そこに、予想外のタイミングで声が掛かった。


「初めまして」

「なっ!?」


 目の前に突如として現れたのは、戦場じみたこの場所に不釣り合いな、穏やかな雰囲気を纏った男――善市郎だ。

 昂ぶったステフにすら気づかれず、二メートルもない距離にまで近寄っていた。声がかかるまで空気の揺れすら肌に感じていない。

 それだけでこの男の異常さが分かる。寧が不意を突かれたのも納得出来る。


 ステフは驚愕しながらも、体はトッドから言い含められた事を守った。腰だめに構えたガウスガンを三連射。狙いは右膝、右肩、そして額。

 超音速で射出される3.3mm弾は、機械化していない人間にとっては致命的だ。


 おかしい。

 砕いた膝は体重を支えきれず、ゆっくりとくずおれていく善市郎はまだ笑顔を貼り付けたまま。重サイボーグでも致命的な頭部への銃撃で、善市郎は確実に死んでいる。


 お互いが命を奪い合う場所において、誰もが常に最善手を取れる訳では無い。悪手をとってしまう事も往々にしてある。

 それはステフのような人造人間にも当てはまる。

 だが、今回はそれが腑に落ちない。

 まかりなりにも相手は終端装置T・デバイスを率いる男だ。いくら超能力者でも、銃を持った人造人間の前に現れるにしては無策に過ぎる。

 うまくいきすぎる展開は何らかの罠だと、ステフは蛍門インメェン工業公司時代から叩き込まれている。


 だがそこで、一歩退こうとして体が動かない事に気がつく。

 そして目の前の光景が遠ざかっていく。伸ばそうとした手も動かず、ステフの意識は遠くなっていった。




「ステファニー!?」


 ステフの動きが止まったのを見て、寧は声を上げた。

 重サイボーグの反応速度すら振り切っていたステフが、ほんの数秒でも無防備に足を止める。

 その不自然さと降りかかる危険は、幾度か終端装置T・デバイスとやりあった寧にはよく分かる。

 今まさに戦っている最中のステフが、決してとらないであろう選択肢に、思い出されるのは善市郎の顔。


 ステフに群がろうとする動力装甲服パワードスーツを、片端から撃ち倒すが、そこへ更に三機の対人ドローンが射線に立ち塞がる。

 即座に待機状態のミサイルを撃ち抜きドローンを破壊するが、その残骸が遮蔽となってステフの姿を隠してしまう。

 ただの遮蔽物であれば寧の視覚は赤外線を捉えて、その向こうにある姿を見極められるが、ミサイルとグレネードが誘爆したばかりのドローンはその熱でもステフを隠している。


「トッド、ステファニーが――」

「ステフっ! 何やってるんだ!!」


 寧の言葉を遮り、トッドの怒声が響いた。

 重サイボーグの肺活量は常人を大きく上回り、そこから発せられる声量も桁違いに大きい。

 端末を使った通話ではなく、大音量の声で直に怒鳴りつけたトッドは、特効薬パナシーアを左手で構えると、ステフへと近寄ろうとした動力装甲服パワードスーツの脇腹に大穴を穿った。

 銃声すら一瞬圧したかと思うような怒声は、更なる銃声にかき消されてしまったが、ステフには届いたようだった。


 群がっていた動力装甲服パワードスーツの一体が、破壊音と共に四メートルも宙に飛んだ。その胸部装甲は小さな拳の形に凹んでいる。

 動力装甲服パワードスーツを殴り飛ばしたステフは、そのまま空いた右手で投擲用単分子ナイフを抜くと、群がっていた動力装甲服パワードスーツの頭部へと次々に投げつけた。


 ダディの声しなきゃ危なかった――体も動かず遠のいていく意識の中でも、トッドの声は耳元で叫ばれたようによく聞こえた。

 あの怒鳴り声がなかったら、どうなっていたかと考えると怖気おぞけが走る。


 取り落としていたガウスガンを蹴り上げてキャッチしながら、無力化した動力装甲服パワードスーツを盾にして周囲を索敵。

 動けなかった時間は、ステフの体内時計によれば十四秒。

 その間に撃たれなかったのは、さっき見た光景が敵にとっては折り込み済みの出来事である証拠だ。

 であれば、さっきの光景は善市郎による精神感応。距離の問題なのか、寧に行ったような身体の強制支配ではなく、動作を止めるだけの幻覚に過ぎないが、それでもあと十秒もしていたら完全に取り押さえられていただろう。


 持っていたガウスガンを落とされ、奪ったガウスライフルは壊されたが、ブラストピラーに手を出される前に反撃出来たのは幸いだ。この工具だけは現地で奪って使えるようなものではない。恐らくセカンドバベルでも唯一のものだ。せめてこの事件が解決するまでは手元においておきたい。




 その時、鈍い金属音が広大なフロアに響いた。

 まだ荷物を積み込んでいる最中だった長大な貨物列車が、軋みを上げながらその車輪を動かし始めている。

 ステフは舌打ちしながら、列車に乗り込もうとする工作員を撃つが、既に乗り込んでいた動力装甲服パワードスーツからの弾幕に、慌てて残骸に身を隠した。

 だがその残骸もガウスマシンガンの猛射によって、すり削られていく。


「ブラストピラー以外じゃ止められないか……」


 ガウスガンやガウスライフルでは、動き出した列車を止めるには圧倒的に火力が足りない。

 レールを壊すにしても先頭車両の前を壊さなければ、途中で連結器を切られてしまう。回り込もうにも角度が悪すぎて、生き残っている動力装甲服パワードスーツや対人ドローンの突っ切らなければたどり着けない。


「ダディ、そっちから列車止められる?」

『長すぎてこっちからじゃ先頭が見えん! 手持ちのグレネードじゃどうしようもない。援護するから乗り込めるか?』

「やってみるっ」


 端末を介してでも、トッドの声を聞くと安心するのが分かる。

 呼吸を整えながら、意識を集中して敵の気配や駆動音を探る。

 脳裏に浮かぶ気配の中に一つ、独特の感触・・があった。それは貨物列車を挟んだ反対側から、今にも列車に乗り込もうとしていた。


「そこにいたんだぁ……」


 気配の消し方は一流と言って差し支えないが、ステフへの攻撃・・を行ったせいか、気の昂ぶったステフは辛うじてだが気配を掴んだ。

 善市郎。

 その動きは負傷をしているせいか、周囲の工作員と比べてかなり遅い。


 ステフは視線を動かし、寧の視界を確認する。

 先頭車両へ行くのは弾幕の中をくぐり抜けなければならないが、善市郎のいる位置までなら少し大回りすれば寧に見られずに済む。

 少し強ばっていた体から意識的に力を抜くと、足を滑らせるように踏み出しながら、自分の動きを全て体に引き渡した・・・・・・・


 途端に、意識と体が切り離されるような、奇妙な感覚がステフの全身をすり抜けていく。

 トッドの意識、寧の意識、そして終端装置T・デバイスの工作員達の意識が自分へと向いているのが感じられる。それら全てを置き去りにするように、ステフは駆け出した。

 最高速度から比べれば遙かに遅い独特の足取り。だがこの場にいる工作員達も対人ドローンも、ステフが通り過ぎた遙か後ろを撃つだけで、ステフ自身に銃口を向ける事も出来ない。

 運悪く進路の途中にいた工作員は、単分子ナイフに首を切り裂かれてもまだ、ステフの存在を認識出来なかった。




 初めて寧とやりあった時に少し見せてしまったが、これがステフが設計段階から組み込まれている独自機能の一つ。

 蛍門インメェン工業公司の技術者曰く、達人の記憶マスターズ・メモリーだ。

 人とは思えぬ様々な逸話を持つ武術の達人達。それらの技法を人工的に、人間以上の身体機能を持って再現しようとしたのが、今はステフと名乗っている人造人間だ。


 それらの逸話の殆どは、重サイボーグを大きく超える人造人間の性能により、容易に再現し、あるいは凌駕してしまった。だがいくつかはステフの身体機能で再現される事により、予想以上の機能として現れる事になった。

 その一つが、レーダーのような気配の察知。そしてもう一つが相手に捉えられぬ動きだ。

 しかし神経系に直接組み込まれたプログラムによる動きは、体に独特の違和感をもたらす。自分以外が体を動かすような感覚を嫌ったステフは、相当に気が昂ぶらないと使えないという条件もあって、滅多な事では使わなくなっていた。


 寧と戦う時にとっておきたかったが、善市郎の危険度は今の寧を上回る。使用をためらっていられる相手でない事は、ステフも自分自身で体感した。

 普段の速度から比べれば遅くとも、時速にすれば百キロを超える速さでステフは善市郎との距離を縮めていく。列車はまだ速度が乗っておらず、十分に飛び乗れる速さだ。


 善市郎との距離が十メートルを切った途端、ステフの背筋に悪寒が走った。

 達人の記憶マスターズ・メモリーがもたらす超常的な気配の感知は、身に迫る危険を悪寒として伝えてくる。

 これまで、悪寒が伝えてくる危険が外れた事はない。ステフの体は意識するより早く足を止めると、両手でガウスガンを構えた。


 貨物列車の装甲など、ガウスガンの前では紙切れに等しい。

 だが銃爪ひきがねを引くより僅かに早く、善市郎の仕掛けていた罠は作動した。

 途端、スタングレネードを直視したような閃光が至近距離で炸裂した。全身が痺れ、銃爪ひきがねを引くことすら出来ず一瞬の間棒立ちになってしまう。


「今です! 撃ちなさい!」


 善市郎の号令一下、立ち尽くすステフに多数の殺気が向けられる。

 目は眩み、満足に動かないステフの体を、達人の記憶マスターズ・メモリーは殺気に反応して強引に稼働させた。

 気配だけを残して跳び退ると、間髪遅れて気配の残っていた場所を数十発の銃弾が大きく抉った。

 そのまま弾幕をすり抜けてコンクリートの柱に隠れたステフは、大きく息をついた。


「何よあれっ! あんなの分かるかっ!」


 精神感応による攻撃。

 警戒してしかるべきだったが、まさか達人の記憶マスターズ・メモリーを使っているステフにも自動的に反応するとは思わなかった。

 善市郎の気配は、確かにステフの接近に気づいていなかった。だが張り巡らせた罠の作動で接近を知り、その後に命令を下した。


 善市郎の気配は列車が加速していくにつれ、大きく距離が開いていく。体の判断で咄嗟に隠れた柱からは、絶え間ない弾幕で顔を覗かせる事も出来ない。

 反響する音から判断すれば、列車はもうこの場所から殆ど出て行ってしまっているだろう。気配の動きからすれば、生き残っていた工作員も殆ど乗り込んでいるだろう。


『ステフ、今どこだ?』

「ダメ、乗り込めなかった。あと一歩のところで、善市郎って奴にしてやられたわ。あいつ、寧がやられかけるだけあって、かなり面倒な奴ね」

『分かった。追撃する前に合流するぞ。こっちから障害物は排除するから、少し休んでろ』


 端末から響くトッドの声に、大きくため息をつきながら答える。トッドは失敗の報告にも落胆の影すら見せなかった。

 ステフが出来なかったのなら、それは誰であっても出来ない状況だった。そう思っているからこそ、次のチャンスに備えさせるために単独での追撃をさせないようにしていた。


「まさかあたしの機能が遅れをとるとはねー……」


 通話を切ったステフは、再びため息をつきながら独り言ちた。

 そして一度首を項垂うなだれた後、天井を見上げる。


「だからって、負ける気はしないけどね」


 柱の向こうから聞こえる銃声と爆発音に、ステフの呟きは混ざって消えていく。脳裏に閃く敵の気配は次々と減っていき、片時も忘れた事のない気配が近寄ってくるのが分かる。


「休憩はとれたか?」


 特効薬パナシーアを片手に微笑むトッドが、滑り込むように現れると、ステフは満面の笑みで応えた。


「十分っ。まだまだいけるよ」

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