生首キャッチ
生首キャッチ(日常編)
「なぁ
「出来れば勘弁願いたいんだけど」
「出来ない相談だよ、それは」
腰掛けたままの俺を見下ろしながら
それにしたって、
頭悪いなぁ……俺が言えたことではないけど。
「まあ、話だけでも聞いてくれ」
理由はまぁ今は置いておくとして、俺に話しかける数少ないクラスメイトの一人である
「最近、放課後の体育館に幽霊が出るんだよね。このままだと部活に支障が出るからなんとかして欲しくてねー。
「食いもんの好き嫌いみたいに言うな。そんなもん、オカ研にでも頼めば良いじゃんか?」
我が校には立派にオカルト研究部たる部活が存在する。帰宅部の俺なんかに言うより余程頼りになるに違いなかろう。
「いやいや、頼みにくいでしょ。わかってるくせに言うなよな」
なんでこいつ、人にものを頼もうとしてるのにこんなに偉そうなんだろう。
まぁ、
そして何より、その唯一のオカルト研究部員と言うのが近寄りがたい存在でもあった。
「そりゃあ出来れば
このオカ研部員の人がまた規格外の人物で、この
「……で、どんな幽霊が出るって?」
相談事を断れないのが俺の悪い癖だ。それは
「夕方、ふと気が付くと体育館の隅でボールをついてるやつがいるんだよ。んで、近寄ってみると、そのボールってのが生首なんだ。驚いたところにその首を放ってくる。それを受け止められないと不幸が起こるらしい」
さも当たり前と言わんばかりに概要を説明する
「なんて言うか……ありきたりだな」
「でも目撃者がもう一人もいるんだよ。そんでうち一人は首を落っことして、実際に次の日には練習中に足を怪我をしてる。女子バスケ部の一年だよ」
「偶然じゃねぇの?」
「たとえそうだとしても、部活に出たがらない奴がいるんだからどうにかしないと」
「頼む、私達女子バスケ部の未来がかかってるんだよ」
数少ない友人の言葉に、俺も溜息で応えるしかなかった。
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