第41話 エピローグ 3

少女が、真っ白い壁紙の、何も置かれていない、シンプルな、しかし高級なマンションの一室で、しずかにパソコンデスクに座りiMacをたたいている。彼女が見ているパソコン画面はひと段落またひと段落、順々に表示を変えている。しかし共通しているのは、それらは全てSNSやブログであった。一人ですべてのサイト立ち上げているのであろうか、それとも他人のサイトに何らかの方法でログインしているのであろうか。


ブログは195cmを超える巨漢であったり、コンクリートを口から吐いた男であったり、身障者を大量にナイフで殺害した者であったりしている。そして彼女は今、過労自殺したサラリーマンのブログを更新していた。


[今度は、残された武田さんが監禁状態のような責め苦に遭っている、この惨状の輪廻を断ち切るには、、、あいつを殺すしかない。。。]


[今、3:51だ。武田さんは今日もまた徹夜で設備の組立をやっている。あいつは早々に帰宅して酒でも飲んで眠りこけているだろうというのに。]


[今日もまたあいつが工場でのさばり続けている、あいつを殺すにはどうしたらいいのか、最近はそればかり考え続けている。気が触れそうだ。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す、、、、]


アップがひと段落ついたのか、女は顔を上げる。


透明で、くっきりとして、凛として、繊細なガラス細工のようなとても魅力的な顔立ちをしていた。


そして一人きりの部屋で、彼女はゆっくりと静かに微笑んだ。


理由 続編へ続く

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