第37話 目覚め
小夜の物語の一部始終を脳裏にまざまざと体験した凛が、白昼夢から目覚める。
小夜からのメッセージを受けて敏文への復讐を決意してから数日、凛は、完全に現在まで続いている小夜と俊哲と敏蔵の物語を理解した。
敏蔵は敏文、俊哲はお兄ちゃん、そして小夜は私だ。永吉や宮助は、この間腹が裂けて爆発死した容疑者。この輪廻は千数百年前のあの日から、何十度となく繰り返されている。
小夜、敏文を殺して!お兄ちゃんのみじめな死に様よりも何倍も苦しめて殺して!!
日を追うごとに、凛の表情は夜叉のようになっていくのだった、そしてこの復讐への奔流はとどまることを知らなかった。もう何日も食事もとらす、起きては敏文を呪い、寝ては敏蔵が死んでゆく夢を狂喜乱舞して見る。永富や宮野と同じような敏文のむごたらしい死、今やそれだけが彼女の存在理由であった。
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