第5話 初めての嘘
「で。なんだって?」
事務所から出ると、ナギが待っていた。
男なのに、私と同じ背で、声の高さも男にしては高め。
顔はイケメンというよりは、お姉さんに可愛がって貰うタイプの甘えた系。
顔良し、演技良し、性格良し。
声優としてやっていく才能は、充分にある。
そんなナギが私を見て、にやにやしながら話しかけてきた。
「や。なんか、普通にアドバイスだった」
残念な顔を作って、ため息をつくと、ナギは一瞬戸惑って、ドンマイと励ましてくれる。
私はこの時……初めて彼に嘘をついた。
隠すのは辛い。
けれど、情報が漏れるのはもっと怖い。
だからもう暫くは、彼に秘密にしておこうと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます