第12話

 思えば全て、あの嵐の日から始まったのだ。

 宿命、そして運命。かつて友だった男の言葉を借りよう。彼は定めと言っていた。

 それらについて、俺は今でも想いを馳せる。

 選んだものと捨てたもの。

 選べたものと選べなかったもの。

 選ばれし者と選ばれなかった者。

 俺という生命の意思と、巨大な本流は、一体どちらが強いのだろうか。

 全ては俺の意思か。それとも、それすらも流れを為すものの一部か。

 白い息を吐き、星空を見上げる。

 俺は咆哮する。

 そっと添えられた手の淡い温もりを感じ、闇の裂け目を見つめている。

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