8.恐怖の種類
相変わらずのらりくらりとホラー書いています。プロットをこねくり回しつつ本文も書き始めていますが、まだ1万字を越えたくらいです。最終盤手前がアイディア不足ですが、書いてくことでインスピレーション降りてこないかなと期待です。
ところで、ホラーというからには『恐怖』を取り扱わなきゃいけないわけですが、書いていると「これって本当に怖い?」的な恐怖が襲ってきたりします。割とシャレにならない恐怖です。まあ実際どこまで怖がらせたい作品か、というテーマ次第なところもありますが、下手すればギャグにしかならないとか言われたりするのでホント怖いです。
作者だけが恐怖を満喫してもしょうがないので、早いうちに一回「そもそも恐怖って何だっけ?」ということを見直しておいたほうが良さそうな気がしてきました。ので、今回はそれをテーマに更新です。恐怖ってなに?
※なお、僕は別にその道のプロでもないので、色々抜け漏れや誤りもあろうかと思います。あくまでも個人の考えの整理の場です。その点、ご容赦ください。あ、あと、恐怖を文章で演出するテクニック講座でもないです。逆にそういうのあったら僕が知りたいです、教えてください、切に。
【恐怖のメカニズム】
根本的な部分で、恐怖ってのは『本能的な生存スキル』と言っていいと思います。外敵だったり、高い場所や水といった環境要因、あるいは死という概念そのものに恐怖を持つことで、生存する確率を高めるもの、という感じ。恐怖を感じない兵士は真っ先に死ぬ、という話を何かで耳にした記憶もあります。死に対して恐怖を持つからこそ、私達はここまで存続してきたと。
これは『生存するために恐怖を会得した』というより、多様な個体が生まれる中で『恐怖を感じるものだけが生き残った』の方が実態に近い気がします。
小説に組み込むうえで難しいのが、恐怖は本能的、感覚的なものである、ということですね。僕らが何かにキャーとかビクゥってなるのは、その瞬間理由まで考えてるわけじゃなく、脳みそが勝手に反応してるわけです。恐怖の作り方、みたいなものはロジカルに掴みづらいし作りづらい。
ただ、ここで諦めてしまうとどうしようもないので、もうちょっと踏み込んで恐怖の対象になるものを整理してみます。色々分け方があると思いますが、個人的には次のように分けるのが今のところしっくり来ています。
【恐怖の種類1.自分の命が危機にさらされる】
目の前にはズタズタに引き裂かれた死体があり、振り返ると血塗られた包丁を持つ男が……みたいな。わかりやすいですね。より直接的な恐怖です。
上で例に挙げた猟奇殺人系のサイコホラーだけはなく、呪いの〇〇的な心霊ホラー、ゾンビや獣害系のパニックホラー、デスゲーム……色々題材はあるかと思いますが、いずれも自分自身の命が危険にさらされることで恐怖を演出します。ホラーと聞いて真っ先に思い浮かべるのは多くの人がこれじゃないかと。
【恐怖の種類2.自分の社会的な地位が危機にさらされる】
運転していて人を轢いてしまった……。不倫がバレた……などなど。それが社会的な立ち位置を壊してしまう……社会的な生物である人間ならではの恐怖かもしれません。命に比べたら小さい気もしますが、昔は社会における立ち位置が大きく生死に影響していたであろうことを考えると、その時の名残が僕らの身体にしみついていても不思議じゃありません。対人恐怖症なんかもこのあたりに関わってくる気がします。どちらかというと短編向きかもしれませんね。
余談ですが、自分が犯した罪に対して、罰として恐怖が現れると、作品として色気(ホラー的な)が出てくる気がします。この手法はこの種類2と相性が良さそうです。もちろん禁忌を破って云々という日本的なホラーでもよく使われていて、それだと種類1にも関わってきますね。
【恐怖の種類3.日常が壊れる(未知との遭遇)】
朝起きたら自分以外が全員のっぺらぼうになっている。両親も、友達も……とかなったら、別に命の危機ではないですが怖いですよね。特に日本が比較的平和ということもあり、日常が無意識なところで僕らの生存の拠り所になっていると思います。それがいきなり壊れる……これは怖いはず。日常が安全な分、壊れたときの怖さはひとしおです。この振れ幅、落差がカギです。それを急激に壊すのか、じわじわ蝕むかの趣向の違いもあります。定番としてある『一番怖いのは人間』系もここに含めて良いかもしれません。
どちらかというと、『不安』の要素が強いですかね。まあ十分に恐怖の範囲です。よくわからないものを目の当たりにしたとき、自然と僕らは不安を覚えるようにできているみたいです。
種類1、2も、否応なしに日常が壊れるので、種類3も内包するわけですが、種類3だけでも十分怖い作品にはなり得そうです。こういうのを上手に作れる技術が欲しい……。
……さて、そんなこんなで恐怖を整理してみました。僕の中ではなんかすっきりした気もしたり、まだまだモヤモヤしたり……。まあ今書いているやつを頑張って仕上げていきます。上の分類でどれに当たるかはお楽しみに……というかなんとか日の目を見せてやらねば。
ではまた。
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