18話 ドキッ♪ イチャラブ妹ルーレット②

「く……っ!」

 俺は目の前の光景に息を呑む。

 圧倒的な美貌を持つ妹たちは服をはだけさせ、手錠、首輪、猫耳カチューシャ──と皆様々な物を着けている。

 その姿はとても扇情的で、俺の理性をゴリゴリと削っていく。

 それに加え、リビングに充満する女の子特有の匂いに、頭がくらくらする。

 ……これはヤバいっ!

 俺はもう止めよう、と妹たちに言おうとするが、妹たちから向けられる期待と興奮の眼差しに、口を閉じる。

 俺は落ち着こうと天井を見上げ、大きく息を吸った。

 

 

   ◇妹◇

 

 

 すずちゃんの頬を舐め終え、あかねに催促され次のお題カードを引く。

 

「えぇっと──『妹を二分間擽る(道具を使ってもよい)』──これはまだ、マシな方なのか?」

 カッコ書きにある道具ってのが、少し気になるが。

「さぁ、お兄ちゃん、妹ルーレットです!」

 俺は頷き、ルーレットを回す。

 

「今回は──か、かえでちゃん、か……」

 俺がそう口にすると、楓ちゃんは頬を赤らめ、それを隠すように手で覆う。

 それでも指の隙間からチラチラとこちらを盗み見ている。

「お兄ちゃん、こちら道具です」

 そう言い、茜は何個か道具を渡してくる。

「──って、これ完全にアウトじゃねぇかっ!」

 俺はそう叫び、茜の後方にあるソファーに投げ付ける。

 茜が渡してきたのは……その、女性が自慰する時に使うような、所謂いわゆる大人の玩具だった。

 なんで茜が持ってるんだよ……いや、かすみんが持ってきたって可能性も──って、それじゃあかすみんが玩具を使って慰めてるってことじゃ──

 そこまで考え、俺はその考えを殴り捨てる。

 あ、危ない……一瞬想像してしまった自分がいる……


「そ、それじゃあ楓ちゃん、二分間、我慢してくれ」

「は、はい……」

 楓ちゃんの返事を聞き、俺は楓ちゃんの脇に手を伸ばす。

 

 ふにゅん──

 

 脇に手を入れる寸前で、指先が楓ちゃんの胸に触れた。

「ひゃっん!?」

「あっ、ごめんっ!」

 俺は謝り、すぐに手を引くと、楓ちゃんは「大丈夫です」と言い、目を閉じる。

「そ、それじゃあ……」

 俺は胸に触れないように手を伸ばし、そして脇を擽る。

 

「ひゃぁぁぁあっ!」

 楓ちゃんは脇が弱いのか、少し擽っただけで甲高い悲鳴を上げる。

 少し罪悪感を覚えながらも、俺は手を止めない。

 

「んんっ! ……葉雪、にぃさん、くすぐったい、です──んっ!」

 甲高い悲鳴は、どんどん甘い声へと変わっていく。

「んあぅっ! ……そこっ、ダメですっ!」

 ごめんっ! と俺は心の中で謝りながら、手を動かす。


「お兄ちゃん、脇だけじゃつまらないですよ? お腹だったり太股だったり、色んなところを擽りましょう!」

 俺は茜の言葉を無視して、二分間ずっと楓ちゃんの脇を擽った。

 

「……はぁ、はぁっ」

 楓ちゃんは凉ちゃんのように床に倒れ、荒い息をする。

 ご、ごめんよ、楓ちゃん……

 俺は心の中で楓ちゃんに何度も謝り、そして次のカードを引く。

 

「お題は──『五分間妹の太股に挟まれろ』──っ!?」

 お題を読み上げた瞬間、獲物を狙うような目で妹たちが俺を睨んできた。

 いや、睨むって言葉は適切ではないな。

 けど、それでも迫力が……っ!

 

「さぁお兄ちゃん! 妹ルーレットをっ! そして私を当ててくださいっ!」

 茜が興奮気味にそう言うと、それに流され他の妹たちも次々に口を開く。

 

「おにぃ、私を当てて?」と光月みつき

 

「おにぃ、あまり匂いを嗅がないでね?」と朝日あさひが。

 

「その、葉雪にぃさんが嫌でなければ……」と楓ちゃん。

 

「なんだか擽ったそうだね♪」と蓮唯れんゆいちゃん。

 

「にぃさまの顔を、私の太股で……っ!」と凉ちゃん。

 

「ま、まぁ、大人である私なら、この程度は余裕だな」とかすみんは堂々とした態度で。

 

「お兄ちゃん先輩と疑似────」と司音しのんちゃん。


「て、手錠を掛けられて、太股をペロペロされるなんて……っ!」 と魅音みのんちゃん。

 

 み、皆期待しすぎだろっ!

 心の中で俺はそう叫ぶ。

 

「そ、それじゃあ、回すぞ」

 そう言うと、全員がゴクッと息を呑む。

 シュッっと軽い音が鳴り、そしてルーレットは止まった。

 そして針が指していたのは──

 

「やったぁあ! 私です! 私ですよお兄ちゃんっ!」

 茜だった。

 茜は興奮し頬を赤くしながら声を上げる。

 

「さぁ、お楽しみタイムですよ♪」

 茜は妖艶な笑みを浮かべ、ゆっくりと脚を開く。

 さぁ問題です。スカートを履いた状態で脚を開いたら、どうなりますか?

 

 答えは下着が見える……です。

 スカートの陰から見えた下着は、大人っぽい黒色で、茜の淫乱さを表しているよう──ってダメだ! こんなこと考えるなっ!

 俺はブンブンと頭を振り、邪念を振り払う。

 そんなことをしていると、茜は不満そうに頬を膨らませ、スカートの端を摘まみ上げる。

 そんなことをすれば、当然隠された下着が一層見えることになる。

 

「さぁ、お兄ちゃん、どうぞ。私はもう準備できてますよ♪」

 くっ! やらなきゃダメなのか?

 と疑問を抱くも、ここで止めれば社会的に抹殺される。

 俺は仕方なく、開かれた太股に顔をうずめる。

 瞬間、茜が脚を閉じ、俺の頭を押さえた。

「んっ! んんん! んぐっ!?」

 俺は声を上げようとするが、太股に挟まれ上手く声を出せない。

「ひゃんっ♪ お兄ちゃん、くすぐったいですよぉ♪」

 そう言いながらも、茜はより深く俺の頭を押し込む。

 そうなれば当然、茜の下着が近付いてきて──

 ダメだっ! これ以上は本当に危ないっ!

 俺は落ち着こうと息を吸う────が、それがダメだった。

 茜の匂いが鼻腔を刺激し、伝わってくる湿気に頭がクラクラする。

 うぐっ! 早く五分経ってくれ……っ!

 

 

 五分が経ち、俺は茜の太股から解放された。

 俺は床に手を突き、呼吸を整える。

「はぁ、はぁ……」

 

「ふふっ♪」

 茜は完全に興奮したのか、顔がヤバい。

 メスの顔になってる。

 くっ、なんて恐ろしいゲームなんだっ!

 

「さぁ、お兄ちゃん、次です次です♪」

 俺は茜に促されるまま、カードを引く。

「次は──『三分間妹を抱擁する』──まぁ、これくらいなら、普通かな」

 そう言い、俺はルーレットを回す。

 針が指したのは、かすみんだった。

 

「ほらほら、早く来いよ、かすみん」

 俺は腕を広げ、かすみんを呼ぶ。

「くっ、私は大人なのにっ」

 そんなことを言いながら、かすみんは俺に飛び付いてくる。

 俺はかすみんを受け止め、愛撫あいぶする。


「ひゅぅ……」

 かすみんの口から、気持ち良さそうな息が漏れる。

 俺はそのまま、愛撫を続ける。


「こ、これは……なかなか良いものだな」

 そう言いながら、かすみんは体全体を密着させる。

 まぁ、かすみんみたいな幼女体型に抱き付かれても、なにも当たらないし興奮しないから安全なんだよな。

 なんてことを思っていると、かすみんが腹に頭突きしてきた。


「失礼なこと、考えてただろ」

 かすみんは上目遣いで俺を睨んでくる。

「い、いや? そんなことはないぞ?」

「そうか」

 

 なんと言うか、このお題が一番まともだったかもしれない。

 

 

   ◇妹◇

 

 

 あれから十個程お題をこなし、俺たちは一旦昼食休憩を取った。

 まぁ何事もなく、本当に休憩できたと思う。

 

 そして、再び始まったのだ。

 

「さぁ、お兄ちゃん、『ドキッ♪ イチャラブ妹ルーレット』再開です♪」

「お、おう」

 俺は中途半端な返事を返し、お題カードを引く。

「『妹の耳元で愛を囁く』──これも、まだましかな」

 俺は続けてルーレットを回す。


「えっと、それじゃあ蓮唯ちゃん、耳を拝借」

 そう言い、俺は蓮唯ちゃんの耳元まで顔を近付け、

「好きだよ、蓮唯ちゃん」

 そう囁いた。

 

「えへへ、なんだかこれ、恥ずかしいね」

 蓮唯ちゃんは頬をほんのりと朱色に染め、そうはにかむ。

 スポーティーな蓮唯ちゃんの場合、ギャップ的ななにかで余計可愛く見える。

 

「ほらお兄ちゃん、余韻に浸ってる場合じゃないですよ! 次のお題を! アレを引いてください!」

「おい待て、その口振りだと茜の望むヤバいお題があるってことだよな!?」

「そんなの今は関係ありません! さぁっ、早く引いてくださいっ!」

 俺は茜の勢いに圧され、カードを引く。

 

「なになに──『妹一人に猫のコスプレをさせろ(着替えを手伝ってもよし)』──はぁ?」

 なんだこれ、猫のコスプレ?

 俺はお題に疑問を抱きながら、ルーレットを回す。


「光月か。それじゃあ、光月に猫のコスプレをさせればいいんだよな?」

 茜に確認すると、茜は笑顔で「はい」と返事をして衣装を渡してくる。

 俺はその衣装を光月に渡し、後ろを向こうとする。

「お兄ちゃん、カードに書いてあるでしょ? 着替えを手伝ってもいいんだよ? だからね?」

 つまりそれは着替えさせろっと言うことなのだろう。

 な、何故手伝わなきゃいけないんだ……

 だが、今の茜に逆らうことはできないので、俺は光月の着替えを手伝うことにする。

 生憎、中学生の実妹の着替え程度で興奮するほどやわじゃない。

 その筈だったのだが──

 

「こ、これはっ」

 俺は光月の姿を見て、息を呑む。

 衣装自体は黒基調といったシンプルなものなのだが、胸元が大きく開いており、光月の白い二つの膨らみが少し見えている。

 そして、ミニスカートから見える白い太股が衣装の黒色よって更に強調されている。

 極めつけは、光月の眠たそうな瞳と猫耳が完全にマッチしていて、とにかく可愛い。

 くっ、猫コスがこんなに強烈だったなんてっ!

 

「さぁ次です!」

 

 

 それから俺は多くのお題をこなしていった。

 ある時はスク水に着替えさせ、またある時は妹をマッサージしたり。

 だが、ここまでは順調に、安全に進んでいたと思える。

 

 あのお題を引くまでは。

 

 

「さぁ、お兄ちゃん、次のお題を!」

 茜に促され、俺はカードを引く。

 最悪のカードを。

 

「えっと──『一時間の間妹(全員)から悪戯されろ(場が盛り上がる程度の抵抗なら許可する)』──って、はぁっ!?」

 これは流石にアウトだろっ!

 と茜に言おうとしたが、時既に遅し。

 

「むぐぅっ!?」

 

 なんと、その場にいた全員から、一斉に抱き付かれたのだ。

 視界すら隠れ、完全に密着されているため、身動きすらとれない。

 もし動こうものなら、妹のドコを触るか分かったものではない。

 だが、まだ抱き付かれる程度だ。

 そう思っていると、不意に頬を舐められる。


「うわっ!?」

 俺は声を上げるが、次の瞬間口を塞がれる。

 すごい柔らかくて、ミルクのような甘い匂いがして──これって!?

 俺はイメージしそうになったのを止め、ただただ一時間が過ぎるのを待つ。

 

 だが、妹たちの悪戯はどんどん激しさを増していく。

 耳を舐められ、指を舐められ、手を胸に押し付けられる。

 誰が誰なのかさっぱり分からない。

 俺はなるべく無心に、無心になろうと意識を集中せ──

 すぐに集中は切れた。

 なんせ、誰かが俺のズボンを下ろそうとしているのだ。

 俺は妹のアレで口が塞がれていることなどお構い無く、声を上げる。

 

「流石にそれはダメだろっ!」

 そう言うと、ズボンを下ろそうとしていた手は止まる。

「えぇ? ダメでした?」

 犯人は茜だった。

 俺は茜に文句を言おうと口を開け──

 誰かがアレを押し付けてきた。


「──んがぁっ!?」

 察しが悪い人でも分かるだろう、今の現状が。

 だから俺はあえて言わない。言いたくない。

 

 だんだん呼吸が苦しくなり、意識が遠退いていく中、茜の言葉が耳に届いた。

 

 

 

「お楽しみはこれからです♪」

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