14話 甘えちゃおっ♪
週の始まりである日曜日。時刻は六時過ぎ。
昨日、お兄ちゃんは
日数にして三日、よくもまぁ引きこもりを三日で復帰させたと思う。
流石は私のお兄ちゃんだ。
司音ちゃんは大切な友達だから、本当に良かったと思ってる。
だけど、だ。
不満がないわけない。寧ろ溜まっている。
二日間もお兄ちゃんと下校できてないし、昨日は夕方まで帰って来なかったから、全然甘えられなかった。
もう私の欲求は溜まりまくってる。
つい自分で──コホン。これは言わないでおこう。
だから、今日は思う存分甘えるのだ。
幸いにも、
これはもう、アレを使うしかない。
「ぐふふふふ……」
おっと、下品な声が出てしまった。
「はぁ……お兄ちゃん……んっ」
私はナニをしているのだろう。
今日は思う存分甘えるのだ。今発散しても意味無い、というか興が覚めてしまう。
そうだ、この溜まった欲求は、お兄ちゃんに満たしてもらおう。うん。
そのまま、私は朝食で呼ばれるまで、不気味な笑い声を出していた。
◇妹◇
「「いってきまーす」」
光月と朝日が家を出て、
「私たちも、いってきますね」
楓ちゃんたちも続いて家を出ていく。
私とお兄ちゃんは笑顔で送り出すと、リビングに戻る。
ふふふ、これでお兄ちゃんと二人っきりだ。
後はアレを使って…………ぐへへへ。
「ん?
私の笑い声に気付いたのか、お兄ちゃんが訊ねてくる。
「い、いえ、大丈夫です」
危ない危ない。バレたら今日一日口を利いてもらえなくなってしまう。
リビングに戻ると、私とお兄ちゃんはソファーに座る。
そして、テレビを点ける。
「茜、なにか観たい番組あるか?」
「あっ、昨日DVDを何枚か借りて来たので、後でそれを観ましょう!」
「後で? 今からじゃないのか?」
「はい。二枚しか借りてないので、今観てしまうと後の楽しみが無くなってしまいます」
そう言うと、お兄ちゃんは「そうか」と引き下がる。
二枚しか借りてないのは本当なのだが、今観れないのは理由がある。
とても、えっちぃモノなのだ。
と言っても、少々激しい描写があるアニメなのだけど。
ヒロインは勿論妹だ。
お兄ちゃんにより
これでお兄ちゃんを……ぐへへ。
「それじゃあ、なにするか」
おっと、お兄ちゃんが隣にいるのに、妄想に耽ってしまいました。反省です。
「それじゃあ、膝枕してください」
そう言うと、お兄ちゃんは「しょうがないなぁ」と言いながら太股をポンポンと叩く。
頬が上がってるから、お兄ちゃんも満更ではないのだろう。
「お邪魔します」
そう言い、私は頭をお兄ちゃんの太股に預ける。
あぁ、お兄ちゃんの匂いが……良いです、凄い。
「茜は膝枕好きだよな」
「勿論です。お兄ちゃんの熱と匂いを──こほん、なんでもありません」
「そうか」
お兄ちゃんは特になにか言うわけでもなく、優しく頭を撫でてくる。
力加減が絶妙で……お兄ちゃんのなでなでスキルが上がってる気がします。
あぁ、お兄ちゃんになでなでされると、ダメにされちゃいます。お兄ちゃんはダメ人間製造機です。
それに今朝も走ってきたのか、ボディーソープと汗の匂いが良い感じに混ざって……興奮します。
「ふみゅ~♪」
気付かないうちに、声が漏れてしまいました。
「ホント、茜は可愛いな」
突然、お兄ちゃんがそんなことを呟く。
その言葉に、どんどん顔が熱くなって、胸の鼓動も速くなって……
「にゃっ! にゃにをっ、お、お兄ちゃんはいきなりっ!」
「あぁ、ごめん、聞こえちゃったか。つい本音がな」
私がお兄ちゃんの言葉を聞き逃すわけないじゃないですか!
と言いたいですけど、もう恥ずかしさで、私っ……
「できれば、ずっと茜と一緒にいたいな」
ずっと茜と一緒にいたい
↓
俺と一生を遂げてくれ
↓
結婚しよう
「──っ~!?」
その答えに辿り着くと、より一層顔が熱くなるのがわかる。
お、お兄ちゃんは素でこういうこと言っちゃうから……っ!
「お兄ちゃん! 大好きですっ!」
私はバッと体を起こし、そのままお兄ちゃんに抱き付く。
「お、おい! いきなり危ないだろ!」
そう言いながらも、お兄ちゃんは私の背中に腕をまわす。
これだから、お兄ちゃんはお兄ちゃんなんです。
「えへへ~」
「どうした茜、今日はやけに上機嫌だな」
「当たり前じゃないですか! 今お兄ちゃんがプロポーズしてくれたんですよ!」
そう言うと、お兄ちゃんは首を傾げ、次の瞬間、顔を真っ赤に染める。
「ち、ちがっ! あれはそういう意味じゃなくてだな!」
「ふふふ~、分かってますよ~♪ 心配しなくても、私は一生お兄ちゃんと一緒にいますよ~♪」
お兄ちゃんは「違うからっ!」と抗議してくる。
けど、にやけ面で言われても、説得力がないですね。
「お兄ちゃん、大好きです♪」
そう言いながら、私は更に身体を密着させる。
「あ、茜っ! ちょっと離れてくれ! 当たってるから!」
「えぇ? ナニが当たってるんですかぁ?」
勿論分かっているが、ここはお兄ちゃんの口から聞きたい。
「そ、その……茜の胸が……」
「えぇ? 聞こえませんよぉ?」
慌ててるお兄ちゃん……可愛い。すごいそそります。
「だから! 茜の胸がさっきから当たってるんだよ!」
お兄ちゃんはそう声を荒らげる。
だから私は定番のセリフを返す。
「当ててるんですよ♪」
「分かってるよ! そんなことだろうと思ったよ!」
ふふふ、こんなお兄ちゃん、初めて見ます。
これはこの後が楽しみですね♪
◇妹◇
お兄ちゃんとイチャイチャしていると、時間はあっという間に過ぎて、お昼になりました。
本当、時間が過ぎるのは速いですね。
昼食はお兄ちゃんが作ったカルボナーラ。
実は私の好物だったりします。
理由は──今は言わなくていいですね。
私と二人っきりの時に出してくるなんて……流石ですね、お兄ちゃん。
お兄ちゃんの料理スキルは更に高くなっていたようで、この前作ってもらった時よりも美味しくなってました。
これは、お兄ちゃんのお嫁さんは絶対幸せ者になれますね。
まぁ、お兄ちゃんのお嫁さんになるのは私ですけど。私ですけどっ!
昼食を食べ終わり、今は食器を洗っています。
と言っても、お兄ちゃんが全部やっちゃうので、私は暇してますが。
ですが、この時間の間に私はすることがあるのです。
まずはコップを二つ用意して、両方にお茶を注ぎます。
次に、お兄ちゃんの方にポケットに仕込んであったアレを入れれば終わり。
これでお兄ちゃんを……ふへへ。
と、丁度洗い終わったようです。
「お疲れ様です、お兄ちゃん」
そう言いながら、私はアレが入った方のお茶をお兄ちゃんに渡す。
「ありがとう」
お兄ちゃんは疑うこともせず、アレが溶けたお茶を飲み干す。
私は自分の分のお茶を、ちまちまと飲む。
「それじゃあ、茜が借りてきたDVDを観ようか」
「はい。部屋から取ってきますね」
そう言い、私はリビングから出た。
自分の部屋に入ると、私は一度深呼吸をする。
「さて、ここからが本番ですね」
そう呟きながら、DVDが入った袋と、色々なモノが入った袋を取る。
「ふへへっ」
おっと、またもや笑みが。
私は昂る気持ちを抑え、お兄ちゃんの待つリビングに戻った。
「お待たせしました」
「ん、あぁ。それじゃあ観ようか」
「はいっ」
私は普通のDVDを入れ、再生する。
「お、これって先月やってた映画だよな」
「はい、そうです。観に行く機会がなかったので、借りちゃいました」
そう話しているうちに、映画が始まった。
◇妹◇
映画が始まって二十分程が経った頃。
アレが効き始めたのか、お兄ちゃんは眠たそうに目を細める。
そして更に十分が経つと、お兄ちゃんは完全に寝てしまった。
「……すぅ」
お兄ちゃんの寝息を聞き、私は映画を止める。
そして、すぐさまもう一つのDVDと入れ替える。
「まずは……」
私はもう一つ持ってきていた袋から、目隠しを取り出す。
それをお兄ちゃんの目に掛ける。
次に首輪を取り出し、自分の首に着ける。
「あぁ♪」
首輪を着けてると、お兄ちゃんの所有物って感じがして、すごい興奮します。
「えっと、後は適当でいいかな」
袋の中から
これで準備は万端だ。
「ふふふっ、やっとできますね、お兄ちゃん♪」
◇妹◇
私は妹モノの際どいアニメを再生する。
お兄ちゃんがすぐに起きないように、音量は少し抑えて。
部屋もカーテンを閉じ、電気を消せば……なんともいやらしい雰囲気になってきました。
私はお兄ちゃんの方を向くように、お兄ちゃんの膝上に座る。
「あぁ♪ 凄いです、すごい興奮しますっ♪」
お兄ちゃん、お兄ちゃんお兄ちゃんっ!
気付けば、私は体を上下に揺らしていた。
その度にソファーが沈み弾みし、音を発てる。
「……ぅぁ……ぁあ、茜? どうなってるんだ?」
浅い眠りから目覚めたお兄ちゃんは、私の顔を見つめて訊ねてくる。
あぁっ、そんなに見つめられたら孕んじゃいますっ♪ あぁ、それはそれで嬉しいですけど♪
「やっと起きましたか。そろそろ欲求を抑えられなくなって、寝ているお兄ちゃんを襲うところでした」
「茜、とにかく離れてくれ。腕が動かない」
「ダメですよ。それじゃあ楽しめませんから」
そう言い、私はお兄ちゃんの手首に手錠を掛ける。
「あ、茜っ!?」
「ふふっ、三日分、楽しませてくださいね♪」
そう言うと、私はお兄ちゃんの服を半分脱がせ、露になった肉体を撫で始める。
「お兄ちゃんの身体、ごつごつしてて、とても硬いです♪」
「うっ……茜、ストップ、一旦止めてくれ」
「だーめーでーす♪」
私はお兄ちゃんの首に顔を近付け、
「れろっ」
軽く舐める。
「うぐっ!?」
お兄ちゃんの反応、とても良いです♪
私は執拗にお兄ちゃんの首を舐める。
たまにキスもして、お兄ちゃんを味わう。
その度に、お兄ちゃんは声を上げる。
そんな声出されたら、私──
「興奮してきました♪」
私は身体を密着させ、耳を甘噛みする。
「ぐっ……」
「あぁ、お兄ちゃん、好きです、好きです、大好きですっ♪」
抑えきれなくなった欲望に、私は忠実に行動する。
お兄ちゃんの身体をまさぐり、舐めて、たまに匂いを嗅いで……
「お兄ちゃん……」
気付けば、私の身体は火照って汗を掻いていました。
「茜、これ以上はダメだっ!」
お兄ちゃんは私を抑えようと、手錠の掛かった両手を私の方に伸ばし──
むにゅっ。
私の胸を掴んだ。
「んあっ♪」
脳に伝わってくる快感に、声が漏れる。
あぁ、脳が蕩けちゃいそうですぅ♪
「ご、ごめっ」
お兄ちゃんは慌てて手を退けようとするが、私がそれを手で抑える。
「もっとぉ♪ お願いです♪」
私の胸にお兄ちゃんの手を押し当てると、指がぴくりと動き、服越しに胸に沈む。
「んっ♪」
「あ、茜っ! 下着着けてなかったのかっ!?」
そう、その通りだ。
私はこうなると予想し、
そのお陰で感度は上々。それにとてもゾクゾクしますぅ♪
「茜っ、もう止めてくれ……っ!」
お兄ちゃんは苦しそうにそう言う。
気持ち良いけど、お兄ちゃんに嫌々させるのは好まない。
まだ欲求不満であるが、仕方ない。
「分かりました」
そう答え、私はお兄ちゃんから離れる。
手錠と目隠しを外す。
ついでに、DVDを止める。
「お兄ちゃん、せめて最後にキスして?」
「えっ?」
「お願い……」
お兄ちゃんは押し黙り、唸り声を上げる。
これはお兄ちゃんが悩んだときによくすることだ。
少しして、お兄ちゃんが口を開く。
「分かった」
そう言い、私の身体を抱き寄せる。
「んっ」
そのまま、お兄ちゃんは私の唇に自分の唇を押し当てる。
「んぐっ……れろっ」
私は舌をお兄ちゃんの口の中に入れ、お兄ちゃんの舌に絡ませる。
「んっ……むぐっ、れろっ……」
リビングに淫らな音が響き、それが私を更に興奮させる。
それから、十分程キスを続けた。
今日はここまでにしよう。
そう思い、お兄ちゃんから離れ、色々なモノを袋に入れる。
結局、コレを使う時は来ませんでしたね。
少し残念に感じますが、まぁ今はいいでしょう。次がありますから。
私はそう自分に言い聞かせ、袋を部屋に投げ入れる。
肌を伝う液がちょっと不愉快ですが、そろそろ帰ってきてしまいますね。
私は時計を確認し、お兄ちゃんの待つリビングに戻った。
それから私は、最後の甘えとして膝枕を所望した。
お兄ちゃんは笑みを浮かべ「分かった」と言い、午前の時同様に太股を空ける。
私は皆さんが帰ってくるまで、お兄ちゃんに膝枕をしてもらい眠りに就いた。
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