第3話 冴えない私と、小さなお友達
「ふう、ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまでした・・・つーか、あんたホント動じないな」
あの後お人形さんにも私の分を分けてあげて、二人でご飯を食べました!お家で誰かとご飯を食べるのが物凄く久しぶりなので、若干興奮気味です!
「あー、まずは助けてくれてありがとうな!俺はプリムム。最強無敵の妖精だ」
「私はマリー。マリー・クラフトだよ!どういたしまして!」
どうやら私が拾ったのは、お人形じゃなくて妖精だったみたいです。えへんと胸を張るプリムムさん、可愛いですね。こう、撫でくり回してしまいたい衝動に駆られます。
「・・・マジか。いや、もっとこう、妖精って知ったら、それこそ捕まえようとか、そうじゃなくてもとりあえずびっくりするもんだぜ?」
「えっと・・・ええー、妖精さんなんですかー。わたしびっくり」
「ごめんな、言い方が悪かったわ。無理に驚いてほしいわけじゃあないんだ」
プリムムさんは咳ばらいを一つして、空をふよふよと飛び始めました。
「なんであんなところに俺みたいな超絶怒涛の戦士が倒れていたか、知りたいか?」
「空を飛んでいたところを、小鳥さんに襲撃されて、体を
「びっくりするほどバイオレンスなこと口走るなお前!いや、
「どんまいですね」
たぶんプリムムさんも、結構なお茶目さんなんでしょうね。私もよくありますもん。学校行くのに教科書全部忘れていっちゃったことも、一度や二度じゃないですからね。
「・・・ようし!分かった!マリーは並大抵のことじゃ驚かないんだな!信心深さもなさそうだ!ならばこのプリムム、マリーとお友達になりたいのだがどうだろうか!」
「えええええええええええええ!!!!」
「いやそこはおどろくんかぁい!!!!」
びっくりしちゃいました。だって、お友達ですよ?あの、一緒にご飯を食べたり、お話したり、笑いあったりするあれですよ?
「本当にいいんですか?私ほかにお友達いませんし、巷で良く聞くお友達料金というものも払えなさそうなのですが」
「どんだけ鬱屈とした世界で生きてきたんだ・・・金なんて要らねぇ!このプリムムがお友達にふさわしいと判断したのだ!今この瞬間から、マリーとプリムムはお友達なのだ!」
そう言ってプリムムさんは、私の指をぎゅっと握ってくれました。小さな体で一生懸命握ってくれるのを見て、あ、この人なら信用できるのかもしれないと、私はそんな妄想を抱いて
「よ、よろこんで!!」
少し泣きながら、オトモダチ宣言を受諾しました!
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