4理想のクリスマス~飯島蓮人の妄想~
「メリークリスマス!」
飯島蓮人は、カナ、モモカ、リン、カズサたちヒロイン4人とクリスマスパーティをしていた。皆、サンタのコスプレをしている。赤い上着に白いフワフワした飾りが袖や襟元についている。袖は短く、赤い長い手袋をしている。上着の丈はやけに短くなっていて、4人全員、腹がちらちらと見えている。下はスカートで、下着が見えそうなほど、短い赤いミニスカートだ。少し動くだけで見えてしまうほどだ。
飯島蓮人は彼女たちの姿に大満足だった。頭にはもちろん、赤いサンタの帽子が乗っかっていた。
腹が見えるだけでなく、胸の谷間も見えていた。腰をかがめるたびに上下の下着が見えている。世の中の男子の欲望を体現したかのような素晴らしい服装だった。
「じゃあ、まずはケーキを食べようか。」
すでにチキンやサラダを食べ終えて、ケーキを食べるようだ。ケーキにはろうそくが添えられていて、火がついている。
「ふうう。」
カナが代表で火を消すようだ。火を消すために口をすぼめる姿も魅力的だ。まるでキスをせがむかのような姿勢に飯島蓮人はつい、その口をふさごうと行動に出る。
「チュッ。」
軽いリップ音を響かせて、自らの唇を離すと、カナは顔を赤くして恥ずかしがる。
「ああ、ずるい。私にもしてよ。んんん。」
そうなると、次々にキスをせがむかわいい残りのサンタたち。リンがキスを待つかのように目をつむり、唇を尖らせている。他のサンタたちも物欲しそうな瞳を飯島蓮人に向けている。飯島蓮人はあえて、要望に応えることはなかった。
「先にケーキを食べてしまおう。それに、お楽しみはこれからだろう。」
無事、ろうそくの火を消し終えて、ケーキを5等分に切り分ける。イチゴが乗ったショートケーキが各自に配られる。
「いただきます。」
モモカが口にクリームをつけておいしそうにほおばっていた。もちろん、それを見逃す飯島蓮人ではない。
「口にクリームがついているぞ。」
そう言って、モモカの口についているクリームを自らの舌でなめとり、ついでとばかりにキスをする。
「ああ、それもいいなあ。私にもやってよ。」
「仕方ないなあ。でも。これより楽しいことがこれから待っているから、やっぱりだめだ。」
リンが再度、飯島蓮人にキスをせがむが、ここでも、あえて要望に応えない飯島蓮人。この後に控えているあるイベントに備えていた。
「では、クリスマスケーキを食べ終えたことですし、始めましょうか。」
カズサがコホンと咳ばらいをして、この後のイベントの宣言を始める。
『王様ゲーム』
そう、飯島蓮人が楽しみにしていたのは、この「王様ゲーム」だった。ヒロインたちに出会ってから、クリスマスに毎年行っているイベントである。ただし、通常の王様ゲームとは違い、命令にはあるルールが設けられている。
「エッチな命令をすること」
これは、飯島蓮人が軽いノリで言い出したルールだったが、ヒロインたちは文句を言いながらも、クリスマスという雰囲気にのまれたのか、了承された。
「王様だーれだ」
飯島蓮人が持つ、王様と番号が書かれた割りばしをヒロインたちが引いていく。
「オレだ。じゃあ、さっきから物欲しそうな眼をしている奴らが多いから、王様以外の人が王様に自分からキスをする。」
「きゃあ、いきなり破廉恥すぎ。」
「別に物欲しそうな顔はしていません。」
「これを待っていたというわけか。」
「……。」
上から、それぞれリン、モモカ、カズサ、カナの反応だ。文句は言いつつ、恥ずかしがりながらも、一人ずつキスをしていくヒロインたち。
その後もなぜか飯島蓮人が単独で王様となり、破廉恥な命令を下していくのだった。
そして、なぜか、ヒロインたちの服装は変化していた。サンタのコスプレから様々な衣装になっていた。
上着のボタンがはち切れそうな小さい上着の超ミニスカ制服のポリス。スリットが入りすぎて太ももが丸出しの、胸の部分がハートに開いているチャイナ服。なぜか、男のもののシャツ一枚のいわゆる彼シャツ。これまた丈の短いスカート丈のピンクのナース服。
どれも飯島蓮人が王様ゲームで課した命令によって着替えてもらった。なぜ、そのような服があるのかというのは愚問というものだ。あるのだから考える必要はない。
「これ、胸が超きついんだけど」
「これ、超恥ずかしい。」
「ユウトって、かなりエッチだよね。」
「ちょ、写真を撮らないでください。」
ミニスカポリスのカズサ、チャイナ服のカナ、彼シャツのリン、ナース服のモモカがそれぞれ抗議の声を上げる。しかし、飯島蓮人は気にしない。構わずにスマホで写真を撮りまくる。
「みんな、かなり似合っている。最高だ。」
ヒロインたちのコスプレ姿をほめ、最後の命令を下す。
「最後の命令だ。その姿でオレに抱き着いてくれ。」
嬉しそうにヒロインたちが飯島蓮人に抱きつき、女性特有の柔らかさを体感して、幸せの絶頂に至ったその時。
「ジリジリジリジリ。」
目覚ましの音が無情にも鳴り響くのだった。
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