7海に行きました~人気のない場所に誘われました~
夏祭りは、電車でときどき出会う美少女のさくらとの出会いにより、テンション上がりまくりで幕を閉じた。クラスメイトの男子は、飯島蓮人がまさか、美少女と知り合いとは思わなかったようで、たいそう驚いていた。
「海だ、海だ、今度こそ水着が拝めるはずだ。」
夏祭りで出会った後、さくらと連絡先を交換して、その場は解散となった。あまりの嬉しさに顔の筋肉が緩みすぎて、祭りから帰る途中もずっと顔がにやけっぱなしだった。
「ただいまあ。」
家に着くと、妹はすでに家に帰っているようだった。靴が置いてあったのでそう判断した。
自分の部屋に戻ると、さっそくスマホを開き、連絡先を再度確認する。画面にはきちんと八代さくらの名前と連絡先が表示されていた。
「今日はあえてよかったです。これは運命かもしれませんね。ぜひ一緒に海に行きましょう。日にちは後日送ります。」
メッセージを受信していた。運命とまで言われてしまった。これは今までこの世界で再会したヒロインたちとは様子が違う。飯島蓮人に好意を持ったまま転生しているのではないか。
一人自分の部屋でにやける飯島蓮人だった。
海に行く日は夏祭りから一週間後となった。どうやら、八代さくらは自分の友達も誘っていくそうだ。もし自分が一人で行くことに決めたら、女子数人と自分のハーレムを築けるのではないか。
前世のハーレム状態をやっとこのつまらない世界でも体験できる。そう思っていた飯島蓮人だったが、さすがにそこまでうまくはいかなかった。
「夏祭りで出会った美少女、彼女はこの辺で有名な私立の女子高のお嬢様だぞ。お前だけがいい思いさせてたまるか。」
一緒に夏祭りに出かけた男子やうわさで知った男子が次々に連絡してきた。無視しようと思ったのだが、当の彼女から友達も誘って大勢で楽しみましょうと連絡が来ていたので、男子たちを無下にするわけにはいかなかった。
海に出かける当日。天気は雲一つない快晴だった。
飯島蓮人が住んでいるところは海が近くにあったので、そこに海水浴に行こうということになった。電車とバスで海まで行くことになっていた。
男子は結局、3人ついてきた。仕方ないので、一緒に海まで向かった。
海水浴場は夏休みで、天気にも恵まれていたため、結構な人ごみとなっていた。
「今日は来てくれてありがとうございます。」
海は市民プール同様、ビキニ姿の女性は少なかった。おそらく、ビキニの水着を着ているのだろうが、その上に日焼けを防ぐためなのか、ラッシュガードを羽織っていて、露出が少ない女性が多かった。
八代さくらもその中の一人で、長袖のラッシュガードを羽織っていた。彼女の友達も同じような格好で、出会ってそうそうに飯島蓮人は家に帰りたくなった。これでは海にまで来た意味が半減してしまう。
日差しがじりじりと照り付けている。飯島蓮人たちは海に入ることにした。さすがに海に入るときは上着を脱ぐのかと思いきや、そのまま海に入っていく。
この世界の女子はどれだけ露出を控えているのだろうか。これでは、この世界の男子を可哀想すぎである。
そう思いつつ、浮き輪の上でぷかぷか浮かんでいると、八代さくらが二人きりで話したいと言い出した。
二人きりで話すためには人混みが少ないところがいいと、八代さくらが海岸から少し離れた岩場を指定してきた。
特に疑問に思うことなく、飯島蓮人は指定された場所に足を運んだ。
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