3体育の授業~水泳は選択制です~

 季節は6月。テストも終わり、制服も夏服に切り替わる。いわゆる衣替えの季節である。飯島蓮人はまたもや期待していた。何度期待を裏切られようと、期待する。かなりの楽天家であった。


 夏服と言えば、白いブラウスに女子の白い腕や、ブラウスから覗く、腹チラは絶景である。そして、雨でぬれたときに見える、下着のブラが透けて見えたときは最高にラッキーだ。


 衣替えが終わり、女子の制服を改めてみるが、全然、彼が期待していた要素は見当たらなかった。腕はまあ、半そでで見えているのだが、あまり輝いていない。

 そもそも、部活をしている女子生徒も多く、日焼けしている生徒も多かった。それもそのはず、運動部に入部している生徒が大半で、特に外で活動をしている生徒が白いはずがないのだ。そこを彼は勘違いしていた。


 腹チラに至っては、それはないに等しかった。女子は基本的に制服のブラウスの下にタンクトップやキャミソールを着ているようだ。そのために、ブラは基本的に透けることはない。さらに、制服の素材が透けにくいものなのか、濡れてもブラは見えることがなかった。腹チラも同様で素肌に直接ブラウスを着ていないので、腹が見えることはなかった。


 男子は普通に半そでカッターシャツだった。しかし、基本的に半袖しか認められていないようで腕を出している男子がほとんどだった。男子が長袖を着ようと半そでを着ようとそこには飯島蓮人は全く興味がなかった。


 

 女子の夏服に絶望はしていたが、彼にはまだ楽しみにしていることがあった。夏といえば、水泳である。水泳なら、合法的に女子の水着姿を見放題である。スクール水着は、それはそれはエロイ。水着は身体にフィットしているので、体型が丸見えだ。


 ホクホクしながら、水泳の授業を楽しみにしていると、アンケートが配られた。水泳に関するものだった。どうやら、水泳は選択授業のようだ。


 アンケート用紙には、体育の授業で自分がやりたい競技を選択することになっていた。選択肢には水泳と、それ以外のバレーボールやハンドボール、バスケットボール、卓球などの球技が書いてあり、飯島蓮人は迷わず水泳に丸を付けた。ここで水泳以外に丸を付ける男子がいるはずがないと思っていた。


 アンケートの数日後、体育の選択が決まった。どうやら、水泳は人気がなかったようで、最低人数が集まらず、水泳の授業はなくなったと先生に告げられた。


 初めにその話を聞いた時、ショックで頭が真っ白になった。飯島蓮人以外に水泳の授業をやりたいと思った生徒は少なかったようだ。

 

 水泳がなくなった代わりに球技をやることになった。これから夏にかけて暑くなっていくのに、外で体育をやるのかと思うと、うんざりする。しかし、体育の授業は必須で、嫌でもやらなければならない。

 

 飯島蓮人はどの球技にしようかと頭を悩ませる。外の競技は太陽がさんさんと降り注ぐ中で暑そうだ。したがって、体育館の中でできる競技を探す。


 飯島蓮人は、楽そうな卓球を選択した。これならあまり疲れることはないし、楽ができそうだと思ったからだ。


 


 こうして、水泳の授業がなくなったが、彼はふと、まだ捨てたものじゃないと思いなおす。水泳の授業がなくても、夏休みが待っている。夏休みにプールや海に行けば、自然と女子の水着は見たい放題だ。そこまで頑張れば、休みも女子の水着姿も同時にやってくる。


 そう思いながら、彼は退屈な授業を今日も何とか乗り切ろうと頑張るのであった。夏休みまであと1か月くらいだと言い聞かせていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る