空空

死のうと思うほどの悩みはなく生きていたいと思うほどの夢もなかった。空っぽな僕は何を目標に生きればいいの?何を生き甲斐にすればいいの?

憧れた理想は空想で、決めたことは何もない。必死になったことは無い。そこまでの価値を見いだせなかったから。全てが僕とは別世界のような気がして。誰かが笑っている横で楽しいふりをしたよ。誰かが泣いている横で悲しいふりをしたよ。誰かが頑張っている横で必死になったふりをした。突然羨ましくなったよ。好きなことを見つけられるのはそれだけで才能だ。どれだけ芽が出なくて花が咲かなくてもそれだけで才能なんだ。種さえ蒔けない僕はスタートラインにさえ立てていない僕はきっと凡人だ。飛びっきりの凡人だ。違うことをする勇気もなく同じことを繰り返す忍耐もない。そんな僕は期待だけして何もしない。変わりたいと思いながら変わることを恐れている。情けないよね。僕は僕が嫌いだ。

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