勝手な勝手な詞
志撼
僕には視えない。
見上げる空が青すぎて僕は目を伏せました。見つめる君が眩しすぎて僕は目を背けました。憧れたその姿は遠すぎて僕は諦めてしまいました。前を行くその背中は大きすぎて僕は逃げてしまいました。
君はきっと情けないって言うんだろうね。あの人ならきっとがんばれよって言うんだろうね。でもね、僕は君みたいに強くないんだよ。僕はあなたみたいにかっこよくないんだよ。周りの人はみんな言うんだ。理想ばかり追いかけてないで現実を見ろってね。僕もそう思うよ。夢は叶わない。僕と君とじゃ僕とあなたとじゃ全然違う。分かっているのに僕は何をしているのだろう。あと少しだけと自分をごまかしながらあなたを見ている僕は。もう少しでと自分に言い訳をしながら君を追いかける僕は。どうか、あと一歩だけ僕をあなたに君に近づけさせてほしい。僕が僕を諦めないために。
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