第9話 男殺しの外道な女(後編)
「ここは……」
目を覚ました。俺は睾丸を潰されて死んだ。なのに生きてる。見た限りで行けばリビングだ。
「『ようこそ、我が
「!!誰だ!?」
学生服を着た黒髪の少年が屈託のない笑みを浮かべる。こいつ、何処かで。
「『おいおい、そんな警戒すんなよ。僕が創ったキャラクターさん?』」
「チッ」
「『あはは、でも確か僕らは前ギャグ回で会ってたよね。ま、もういっぺん自己紹介するか。僕は長良慎之介。
胡散臭い。
「『ったく、あの女も困ったもんよ。』」
「?何故だ?」
「『当初のプロットじゃ、あの女が近づいてきた所をワンターンキルって予定だったのに……あーあ、つまんねーの。せっかくチートな主人公にしたのにサ』」
「……」
こいつの言うことは正しいだろう。そんなオーラを醸し出している。
「『前回書いてて睾丸がヒュッてなったし正直あの女には僕が直々に『オシオキ』しないとね……』」
「……だが俺は死んだぜ?」
「『だから僕が生き返らせるのさ。行くよ?』」
「えっ」
慎之介は右眼を光らせた。
「『
言い終わるとすぐに俺の下腹部に痛みが走る。その痛みは少しづつ引いていく。そして痛みが引いた時に触ると。
「嘘だろ……!?」
俺の喪失した睾丸が復活してるじゃないか。
「『頑張ってよ、主人公くん』」
「あ、ああ。恩に着る」
俺は走った。慎之介が後ろで微笑みつつ呟いていた。
『行ってこいよ、
◇◆◇
「あーっははははは!やっぱり睾丸潰しは最高よねぇ!あーっははははは!」
馬鹿笑いが五月蝿い。
「俺は帰ってきた」
「……!?私は確実に貴方のタマタマを潰したはずじゃ……!」
犯人のクソ女がほざいている。
「けっ、んなもん俺が知っかよ。さぁて……!」
俺は黒い焔を右眼に宿した。
━━━━━━能力解放・憎悪━━━━━━
「地獄で焼かれる覚悟はいいか!」
右手に憎悪の焔を宿し、腹を穿つ。
「ごぶっ」
その怒りとともにラッシュをかます俺。憎悪がエネルギーになっているのか、何分もラッシュをしているが全くもって疲れる気配がない。
「起こりうるは洪水・ウォーターオブブレイキング」
超高圧の水流が女を襲う。
「おっっっらぁぁぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁ!!!」
更にラッシュをかける。
「嫌!まだ潰したいのっ!」
女が喚くが無視だ。
「ドン引きなんだよ早く死ねよこのゴミ女ぁぁぁぁあぁあああぁあ!喪女拗らせてんじゃねーよクソッタレがぁぁぁぁあぁあああぁあ!死ねおらぁぁぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁあぁあああぁあ!」
「えっ、いっ、嫌ぁぁぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁあぁあああぁあぁぁぁぁあぁあああぁあ!」
怒りを抱き、俺は光線を放つ!
「撃ち抜け惨殺・ダークサイドブラスター」
光線が犯人を撃ち抜く。死ね。
「地獄に落ちろ……堕ちたな(確信)」
ようやく、皆の仇を討てた。天国で見てるか、親父の友よ。
◇◆◇
やぁ。僕は長良慎之介。ふつーの作者だよ。さて、カルラを呼び出した訳だ。
「ここは!?」
『テメェ、俺の小説めちゃくちゃにしてんじゃねーよ』
「ってあら、潰しがいのありそうな
ストレスも相まってか、僕の殺意は天元突破してるわけで。あーもう小説がめちゃくちゃだよ。
『テメーの趣味に付き合う気はねーんだよクソアマが』
「えっ!?」
『死ね。
「待って下さる……!?待っ━━」
僕は、否。俺は奴を殺した。さて、どうすっかな、このあとの展開なぁ……。
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