第5話 修行の旅へ

「……強くなりたい」

 切実。マジの方で切実な願いを叶えるべく、俺は(置き手紙置いてから)龍の棲む山に向かった。

「『幻惑』使用」

 俺の姿が幻覚により大人の姿へと変わる。これで怪しまれんだろうな。もっとも、俺の精神年齢はかれこれ三十路なのだが。そして俺は或る意味学生だ。つまり今の俺は……。

三十路の学生三十路の学生ノルッポイド!!」

 余談だが、三十路の学生ノルッポイドという名前のYouTubeユーザーは実際に居る。見てあげて下さい(懇願)。

◇◆◇

 手っ取り早く行きたいのならば汽車を使えば速いのだが、(時速114.514ZGゼノギース、つまり時速114.514キロメートルである)俺はわざと歩きと走りで向かっている。全力疾走で丸一日か、楽勝だな。

◇◆◇

「丸一日もかからなくて草も生えないんですがそれは……(困惑)」

 まぁ、早いに越したことはない。なおベッドの上ではおっとこれ以上言うと作者に作者権限ライターオーソリティ使われかねないので言わないでおこうか。

「さて……殺るか!」

◇◆◇

 龍を殺して約十体、早くもここでボスが来た。

「ふぅー、ふぅー……!」

「ドウシタ?モウ息切レカ?ダラシナイナ、若イクセニ」

「しゃらくせぇ……!!」

 レッドドラゴン・ネオ。名前にネオが付いてる奴は大体の奴が弱体化しているMettaton neoやnapstabot's neoなど筈なのだが、こいつの場合は強化されているStoryshiftundyne。因みに推奨BGMはpower of ''NEO''・ikarus remix。

「アーッハッハッハ、ヤハリ人間トハ脆ク儚イモノダ!!コノ私ガ葬ッテヤルカラココデ死ネ!!」

「……死んでたまるかよ、第二の人生!」

「ホウ、ソコマデ生ニシガミツクノカ!」

「てめぇをここで……ぶっ殺す!!」

「ナッ!?」

 俺は魔力を両手に溜めて、お馴染みの脚力増加魔法きゃくりょくぞうかまほうをかけ、龍の頭へ跳んで行き、魔力に水のエレメントをかけ、拳を強く握り締め、紅い龍の両の目玉に、右の正拳突きをぶっ放し、さらに打つのは駄目押しの、左で放った正拳突きを、赤い龍の脳天へと打った。互いに水の力があるので火属性のレッドドラゴン・ネオにはダメージ二倍。

「てめぇは生にしがみついてるっつってたな」

「グゥ……!助ケ……!!」

 俺はレッドドラゴン・ネオに向かって言った。

「てめぇの方がよっぽど生にしがみついてるぜ、ばーか」

「ナッ!?」

「バイバイ、紅色爬虫類レッドドラゴンさん。だからここで俺の拳で死ね!!」

「フザケ━━━━━━!」

「地獄で燃える覚悟はいいか!」

 グシャ、ベキ、ゴスッ。右のこぶしが両眼を砕き。ドス、ベシ、メチャッ。左の縦拳たてけんが脳を砕いた。

「……ふぅー、完了した」

 数日は山篭りだなこりゃ。

◇◆◇

「……帰ろう」

 修行の結果、体力がめっちゃ上がった。レベルも同時に上がってった。

『待て』

 目の前に白い龍が現れた。

「……帰りたいんだけど?」

『お前の力を見ていたぞ。お前はとても強いのだな……。どうだ、私をペットにしてくれないか?』

「バイバイ」

『待ってぇー!話終わらせないで!!』

「……話は聞くよ」

◇◆◇

『━━━━━━という事だ、理解してくれたか?』

「おう。……で、それ鵜呑みにするんなら」

 俺は目の前の白い龍を見る。

「アンタが、この山に棲む神の龍って事ね」

『そう!でも君は多分私より強いのだ!だから私はペットになる!』

「帰る」

『待ってぇー!』

 ……押し問答の末、ペットにする事にしました。母さん達の前では人の姿でいてもらうけども。

 ちなみに、その後のべデリティウスの目には光が無かったです。

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