第6話 星の戦士

 これは、遠く離れた宇宙。銀色の戦士が、異形の怪物と戦っていた。

『ハァッ!セィアッ!』

『ギキィー!?』

『ハァーッ!貫け!「ソウルスマッシャー」!』

 銀色の戦士が怪物へ光線を浴びせる。刹那、怪物は爆散した。

『ふぃー……。終わった……』

 ……右側を見る。ワームホールだろうか、それがうごめいている。それは戦士を捉え、引きずり込み。

 やがて、姿を消した。

◇◆◇

 十月。

「ぬわああああああああんつかれたもおおおおおおん」

 魔法の稽古が終わり、家の中で軽く愚痴る。今日はいつにも増してきつかった。

「湯でも浴びるかぁ……ん?」

 ふと、空を見上げる。今日もいい天気。……何かが光ってますがな。落ちてくる。まずい。こんな所で全滅ENDとか俺泣くぞ?

「『絶望エンドは書きにくいんだよね……。だって全くキャラが動いてくれないんだもの。でも僕は悪くない、だって僕は悪くないから』」

 なんか作者がほざいてるが作者は無視する。

「……!?」

『うわぁぁぁぁああああああああああああ!!落ちるぅぅぅぁああああああああああああ!!』

「ファッ!?」

 俺は心底たまげた。落ちてきたのは赤い玉。そして青い玉もまた落ちて来ている。

「うーみゅ……どしたのあるじさま……?」

 寝惚け眼を擦りつつ、少女が俺に話し掛けた。彼女はフェル。第五話でペットにした龍である。ちなみに超がつくほどドM。

「何かが落ちてくる」

「……あるじさま、あの赤い玉と青い玉かな?生きてる」

「……マジだ、生きてる。しかもあれ、あの流れどっかで……あっ」

 某特撮番組ウル〇ラマンだ。完全に某特撮番組ウル〇ラマンじゃないか。

 青い玉からはいかにも「怪獣です」って怪物が現れる。俺はそいつに迎撃する。核弾頭の様なダメージが入るが全く効いていない。

━━━━━━━バシュッ!

 その時、赤い玉が光り輝く。まさに百万ワットの輝きだ。中からは赤と銀の体色をした戦士初代ウル〇ラマンの様な巨人が現れた。

『ジュワッ!』

『ゲェウゥゥウゥウゥ!』

 巨人の右ストレートが怪獣へ。正確には、怪獣の左の頬へ当たる。ズシャッという重たい音が鳴り響く。

『ダァーッ!』

 メキッ!

 ローキックがもろに当たる。ローキックは重く、強い攻撃だ。少なくとも極真空手フルコンタクト空手に於いては。

「『事実、僕もローキックで何度も何度も沈んだクチだよ。重いんだよねあれ。あー思い出すだけで胃と足が……』」※作者は空手を嗜んでおります※

 ローキックが入った直後、飛燕の変化でハイキックを放った巨人。さらにその勢いを使って飛び後ろ回し蹴りを放つ。それも、顎に。

「あの怪物に脳はあるのか……?」

「あるじさま、怪獣、脳震盪のうしんとう起こしてる。グロッキーになってる」

『トドメだ!はぁー……!』

 巨人の両腕が紅く光り輝く。そしてその腕を十字に組み。

『喰らえ!「ソウルスマッシャー」!』

 紅い光線が、怪獣を撃ち抜いた。

 怪獣はその場に崩れ、死んだ。勿論爆発四散してだ。

 と、同時に巨人の胸にある星型のエンブレムが明滅する。そして、巨人はそこに崩れ、光へと変わった。

◇◆◇

「おい、大丈夫か!?」

 俺は巨人が光に変わって消えた所を探した。……案の定、生存者は居た。心臓マッサージを行い、現在蘇生をしようとしているが。

「……。うっ……?」

「!気付いたか!?」

 男が目を覚ます。

「……僕は……。そうだ、怪獣は!?」

「怪獣?そりゃお前、ウル〇ラマンが倒してくれたぜ。」

「……殺せたんだ。良かった」

 ほっとした顔で、またほうと一つため息をつき。

「……あんた、名前は?俺はフェイト」

「僕かい?僕はレイ。レイチェル・フォーラーだ。宜しくね!」

 新しい仲間が増えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る