砂嵐に、願いを。
どうして夜は僕に優しくないんだろう。
あの子は今でも夜が好きなんだって。
なんでって聞いたらね、夜は優しいから好きなんだって。
そんなの、不公平じゃないか。
「いいこと、教えてあげる。ラジオでね、砂嵐を聴くの。それが途切れたら、流れ星が流れる合図でね、同時に視界の中で起こったらねーーーー」
僕の弟は夜って名前だった。
過去形なのは、もうこの世界に居ないから。
感傷的になっていたらあの子が、教えてくれた。
それを、これから僕は試すんだ。
『ザザァーーーーーー』
耳触りなでも何処か心地よい砂嵐の音が鼓膜を揺らす。
『ザザァーーーーーーーーーー』
途切れる様子が無いし、流れ星も流れる気配も無い。
「はぁ…」
溜め息をついたその時。
『ザザッ-』
目を見開いて空を見上げると。
「あ……、よる…おかえり、」
《同時に起こったらね、願う人の生まれ変わりが何処かで生まれるんだって》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます