微睡みの中で。

こんな夜は。

僕は夜が嫌いだ。

真っ黒な言葉が頭の中で渦巻いて、隠しても隠しても響く。


布団に包まって耳を塞いでも、響く言葉は中々いなくなってはくれない。


だから僕はいつも眠れない。


月の引力は潮の満ち引きだけでなく、僕の隠していた醜い部分を引っ張り出してしまう。

あんなに月って綺麗なのに、


涙が零れてしまう夜だね。


新月の夜にかくれんぼをしよう。

そしたらきっとみつからないさ。

ここは、僕と君の秘密の隠れ家だから。


もしも見つかったらさ、この柵を飛び越えてあの月を触りに行こうね。




こんな夜は早く目を瞑って終わらせてしまおう。

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