狂ってる

 さて、自分の周りには何かと狂っている人が多い。それは友人であったりとか、家族であったりとか、下手をしたら教員とか。まぁ、狂っているということに関しては人それぞれ基準があると思いますがね。


 それでは本題へと参りましょう。


 何の縁だかわかりませんが、このようにしてホラーを書かせてもらっています。自分が基本書くのはファンタジー小説であったり推理物であったり、またまた詩であったり、恋愛だったり。その中で一番重要になるのはやっぱり心理描写でしょう。生きている人間が目の前で感じたもの、見たもの、それに対しての感想だったり、感動だったり。生きている人間が肌身で感じてきたことを描くわけです。


 さて、


 では、


 それが死んだ人の場合。どうしましょうか?


 何ぶん恥ずかしい話。自分は死んだ経験がありません。皆さんはどうだかわかりませんが、今回はそんな話をしましょう。


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 私の友人の中には狂った人がいます。そう、前述で話した通りですね。高校生の時でしょうか、部活動で夜遅くになってたまに一緒に帰るような仲の友人でしたが根はいいやつなんでね。


「今日の部活動だった?」


「全体練習で怒られたぁ」


 などなど、話す内容は日によって違いました。


 さて、その日はいつもよりも少し早めの午後6:00。夏だからというのもあってか、外はまだ薄明るく、日も落ちきっていない状況で街灯の明かりなんかはポツポツと付いているといった感じだったでしょうかね。


 友人との他愛もない会話に花を咲かせていた時、ふと通りかかった場所に古いアパートがありましてね。人は出入りするのは見ますが、あまり人が入っているような場所じゃないんですよ。


「ねぇ、西木くん。上見てよ」


「え? 何?」


 突如、何かに気づいた様子の友人が声をあげて上を指差すんです。


 すると、彼の指差した方向にあったのはアパートの上に設置されている寸動型の給水塔でしょうか、遠目から見ても年月が経っているように見えました。


「あそこにね、人が刺さってるよ」


「え? どこ!?」


 平然な表情でそう言っている彼ですが、自分にはその意味が全くわかりませんでした。人が刺さっている。そんなことは現実的にはありえない。皆さんだってそう思うでしょう?


 でも、彼には見えているんですよねぇ


「どんな人? どんな風に刺さってる?」


「なんかスーツ着た男の人、横から斜めにグサッて。頭から」


「う〜ん、俺には見えないなぁ....」


 とまぁ、そこで話は終わってまた帰りを歩いていた。といった話で終わりなんですけどね。


 まぁ、その彼がどうなったか。というのはまた別の機会に。


 死んだ人が一体何を考えているのか。難しいですね、何ぶん死んだことがないですから。


 でも、一つだけわかるのは。


 死んだ人は目に見えないということくらいですかね。


 みなさん、想像してみてください。


 もし、自分が透明人間になったとして、家族や友人、またはペット。何でもいいから気づいて欲しいって思った時に


 どうしますか?


 まぁ、一番手っ取り早いのは目立つことをするということでしょうか。


 何でもいいから目立つことをする。生身の人間だったら、歌ったり、踊ったり。物を投げたり、果ては自殺未遂をしてみたりとか。


 でも、死人というよりかは、幽霊と呼ぶべきですかね。


 肉体がない彼らは一体どうやって目立とうとするのでしょうか?


 そういえば、足元の電気ストーブ。


 こっちの方に向けたのは誰です?


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